国頭村の海岸に巨大漂着物 航空機部品か? ロケットの可能性も


この記事を書いた人 琉球新報社
国頭村辺戸の海岸に漂着した、白い台形上の物体=14日、国頭村辺戸(嘉陽宗幸さん提供)

 【国頭】14日午前6時頃、沖縄県国頭村辺戸の海岸に白い台形上の物体が漂着しているのを、ウミガメの保護・調査を続けている嘉陽宗幸さんが発見した。漂着物は長さ4メートル10センチ、最大幅2メートル80センチ、厚さ4センチほどの大きさがあり、多数の貝が付着している。元日本航空機長で航空評論家の小林宏之さんは構造や色から「民間機の翼の可能性がある」と語った。

 小林さんによると、漂着物の断面はロケットや航空機に使われるハチの巣状の「ハニカム構造」だった。色が白色であることなどから「西風や黒潮によって近隣諸国から流れ着いた可能性がある。日本の航空会社や自衛隊、米軍のものではない」との見解を示した。

 ▼【動画あり】沖縄各地で目撃された「火球」 大気圏再突入した海外ロケットの破片か

 沖縄県内では10日夜に人工物とみられる火球が目撃されたほか、4月には鹿児島県の沖永良部島で中国が打ち上げたロケットの残骸とみられる金属片が見つかっている。小林さんは今回の漂着物について「ロケットの可能性もある」と語った。

 現場の海岸は陸上からの到達が難しく、漂着物も重いため、現在も海岸に置かれたままとなっている。村は早ければ18日にも現地調査を実施し、回収方法などを検討するという。

 海岸はウミガメの産卵地となっており、先月からは産卵シーズンを迎えている。嘉陽さんは漂着物について「子ガメにとっては邪魔だ。部品の正体が早く分かってほしい」と語り、早期の撤去を求めた。
 (武井悠)

【関連記事】

 ▼「ドーンと音が」「あっという間にスーっと」沖縄各地で「火球」目撃 SNSにも動画投稿が相次ぐ

 ▼火球は「デブリ」か 宇宙を漂う人工物が大気圏落下で燃える

 ▼漂着の燃料タンク、米軍関係者らが回収 沖縄・東村の海岸

 ▼那覇空港でも「中国気球 ?」目撃 自衛隊「情報なく。まずは警察に一報を」 沖縄