沖縄県民は海で泳がない? アンケートで見えたウチナーンチュが「海でやること」第1位は? 水着やBBQへのユニーク回答も


この記事を書いた人 Avatar photo 慶田城 七瀬
沖縄の海(イメージ)

 きょう7月17日は「海の日」。沖縄県民にとって海は身近な存在だが、「泳がない」「水着を着ない」などの意外な「沖縄あるある」も耳にする。そこで沖縄県民の実態に迫るべく琉球新報ではアンケートを実施した。

 「海で何をするか」との問いに沖縄出身者の回答第1位は「散歩する」(57.7%)。次いで「朝日や夕日を眺める」(54.3%)、「バーベキュー」(43.6%)と続き、「泳ぐ」(40.9%)「足のつく浅瀬で遊ぶ」(38.9%)を上回った。さらにアンケート結果からは、ウチナーンチュの多彩な海の楽しみ方が見えてきた。(暮らし報道グループ・慶田城七瀬)

◆「クラス会」に「墓参りの後」?

「海で何をするか」の堂々第一位が「散歩する」とは。驚きと同時に「だーるー(そうである)」と共感する県民も多いのではないか。そのほか「魚釣り」「ダイビング」とのマリンレジャーのほかにも、「クラス会」「墓参りの後に立ち寄る」「悩み事を語り合う」ーなど、選択肢以外にたくさんの回答が寄せられた。

「車中から眺めるだけ」という人も多く、「海が近くにあるから、泳がなくても見るだけで満足」との声も聞かれた。海を泳ぐ場所としてでなく、海で過ごす時間を大事にしていることがうかがえる。

バーべーキューの様子(資料写真)

 3番目に回答が多かった「バーベキュー」。「肉だけでなくヒージャー(ヤギ)汁があるのも沖縄らしい」(40代女性)という声も。さらには「海岸沿いでビーチパーティするのにほぼ誰も水着を持ってこない」(20代女性)というツッコミ記述もあった。

 海での過ごし方が「泳ぐ」以外の回答が多いところを見ると「海は見るもの」と沖縄でよく耳にする迷言?も、あながち間違いではなさそうだ。

◆水着を着ない理由とは?

 次に「水着を着ない」説はどうだろう。
 海で「泳ぐ」と答えた人に、「泳ぐ時に何を着るか」を尋ねると、最も多かったのは「水着」(55.7%)だった。「Tシャツと半ズボン」(54%)より多く、「水着を着ない」という「あるある」を覆す結果だが、「水着にTシャツと半ズボン」という回答を含めると、「水着のみ」を上回る。

 泳ぐ際の格好は多様化しており、日焼け防止や保温にすぐれたラッシュガードや、かかとまで足を覆うトレンカなどを着用すると答えた人も。「長袖、短パン、レギンス」(40代女性)と日焼け対策の完全防備で臨む人もいた。

晴天の下、ビーチで日焼けや海遊びを楽しむ人々=2021年、宜野湾市真志喜のトロピカルビーチ

 水着の上にTシャツや半ズボンを着用している姿に、沖縄を訪れた県外出身・在住者からは驚きの声も。沖縄特有の光景なのだろうか。
 Tシャツや半ズボンの沖縄県民を見て県外出身者からは「泳ぐ時に体型を気にせずに済んだ」(30代女性)、県内からは「部活帰りに体育着で泳いだ」(40代女性)「私服のまま飛び込んだ」(30代女性)との声があった。

 どうやら、体型を気にしなくていい、海が身近にあってすぐ入れる、などの理由がありそうだ。

水しぶきを上げながら海に入る子どもたち=2023年、那覇市若狭の波の上ビーチ

 そもそも「沖縄の人は泳げない」という説もある。

「泳ぐ」と答えた人の中で、25メートルプールで足を着けずに泳ぐなどを想定して「得意」かどうかを尋ねると、「得意」は57.3%と半数を超えた。「得意でない」は39.3%だった。番外編では「フィンがあれば1時間くらい泳げる」など道具に頼るほか、「素潜りは得意」など、泳ぐ距離では測れない回答もあった。泳げない人が多いのかどうかについては、さらに深掘りが必要のようだ。

潮風に吹かれながら海辺を楽しむ高校生ら=2022年、宜野湾市のトロピカルビーチ

◆美しさに惚れ惚れ…行きつけのビーチも

 沖縄らしい海の思い出やエピソードも尋ねてみた。「部活で砂浜をダッシュ」(30代女性など複数)「夏休みは毎日海!」(40代女性)「家族それぞれに行きつけの海がある」(40代男性)「お盆には海に入ると(あの世に)連れて行かれる」(40代男性ほか多数)「ビーチパーティで飲み過ぎて寝てしまい、起きたら誰もいなかった」(50代女性)などがあった。

「海岸を歩いてたら米軍の訓練地に入ってしまい、米軍ヘリに追いかけられた」(30代女性)という回答も。

 県外に住む沖縄出身者は、帰省の時に「飛行機の窓からサンゴ礁の海が見えたら『帰ってきた~』と感じる」(30代女性)「県外で海を見に行ったら砂浜が黒くて泣いた」(60代女性)と続いた。

夕日が沈むてぃだ結の浜=2022年、浦添市のサンエー浦添西海岸パルコシティ前

 県外出身者が沖縄らしさを感じるのは「砂浜が白くて美しい」「潜らなくても水面でたくさん魚が見られる」「ウミガメと一緒に泳いだ」など、海の美しさや生き物に出会える自然の豊かさが印象的なよう。「いろいろなビーチに案内してもらえるので、沖縄の人は海が好きなんだなと感じる」(40代女性)などの記述も寄せられた。

 海と暮らし、海をこよなく愛する沖縄県民。今年もいよいよ夏本番。今年はどこの海に出掛けますか。

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<調査方法・回答者の属性>

調査は13~15日にかけて、LINEやTwitter、フェイスブックやインスタグラム、スレッズなどの各種SNSを通して回答を呼び掛け、計220件が集まった。回答者の属性は、県出身者が83.2%、沖縄以外が16.8%、沖縄在住者が86。8%、沖縄以外が13.2%、性別では女性が62.7%、男性が35.9%、回答しないが1.4%。年代別で見ると、50代が26.8%、40代が23.6%、30代が19.5%、20代が12.7%、60代が10%、70代以上が6.4%と続いた。

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