決めた勇姿「歴史を刻んだ」 満員の沖縄アリーナも歓喜 バスケ日本代表、五輪へ


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パリ五輪出場を決めた日本の選手たちに声援を送るファンたち=2日、沖縄市の沖縄アリーナ(小川昌宏撮影)

 沖縄からパリへ―。日本男子バスケットボールが半世紀ぶりに自力での五輪出場を勝ち取り、会場の沖縄アリーナは日本バスケの歴史に名を刻んだ。試合終了のブザーが鳴っても、7300人余の観客は勝利の余韻に浸り、選手の奮闘をたたえた。台風11号で中止となっていた各地のパブリックビューイングも2日は再開され、詰めかけた大勢のファンも歓喜に沸いた。

 観客総立ちの中、試合はスタートした。序盤、日本は相手の高さに苦しめられて劣勢を強いられた。対戦国カボベルデの身長221センチのウォルター・タバレス選手が、高い打点で日本選手のシュートを阻止すると、会場がどよめいた。

 だが前の試合では不調だった富永啓生選手の3点弾が連続で決まり出すと、観客は総立ちに。会場からは「すごい」と驚きのため息が漏れた。

 会場は日の丸カラーの赤と白の服を着た観客で埋め尽くされた。

 終盤はカボベルデに追いつかれそうになったが、地響きのような歓声が日本代表の選手を後押しした。

 勝利の唐船ドーイのBGMに合わせてカチャーシーを踊った宜野湾市の大城美奈子さん(36)は「パリ五輪が決まって本当にうれしい。会場でカチャーシーが踊れて最高」と笑顔で話した。

 人気バスケ漫画「スラムダンク」内の名言「歴史に名を刻めお前等」と書いたプラカードを掲げた渡邊諒さん(30)は、2006年に埼玉県で開催された世界選手権の日本戦も観戦した。当時はほとんど勝てなかった。「ここまで来るのは簡単ではなかった。歴史の場面に立ち会えて素晴らしい」と感慨に浸った。
(梅田正覚)

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