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読谷村のマッチ箱アート作家!?【島ネタCHOSA班】


読谷村のマッチ箱アート作家!?【島ネタCHOSA班】 箱を開けると虹のかかった空を飛ぶ不思議な生き物が。童話のような世界
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

マッチ箱の中に、ファンタジックなミニチュアの風景を閉じ込めたアート作品を見たことがありますか? 読谷村の「エルサラ雑貨」の店主さんが作っているのですが、とてもすてきなんですよ。ぜひ島ネタCHOSA班でも紹介してください!

(那覇市 M・M)

マッチ箱の中にミニチュアの風景!?いったいどんな作品なのでしょうか。

エルサラ雑貨

というわけで、読谷村波平の「エルサラ雑貨」を訪れた調査員。

アパートの一室をお店兼工房として利用しているとのことで、ドアを開けると―。店主のたかいたつろうさんが手仕事で作り上げた雑貨や、タイなどで買い付けたエスニック雑貨が並んでいました。

たかいたつろうさん
たかいたつろうさん

店内に並ぶ雑貨の中でもまず目を引いたのが、ドールハウス。精巧なミニチュアの家には、外観はもちろん、部屋の小物の一つ一つまでが丁寧に作り込まれており、実際に人が住んでいるかのよう。「どんな人が住んでいるのかな」と想像力が刺激され、物語が広がってきそうです。

店主のたかいさんは、25年前に家族で沖縄に移住し、エルサラ雑貨をオープンしました。その前は、東京で博物館や美術館の展示物を設計する仕事をしていたそう。博物館ではミニチュアの展示物を手掛けることが多く、その時に覚えた技術を使ってドールハウスを作ったところ評判となり、それが最近作り始めたマッチ箱の作品にもつながっているのだとか。

想像の世界で遊ぶ

さて、ここでマッチ箱の作品を見せてもらいました。昔懐かしいラベルのマッチ箱は既製品ではなく、たかいさんがラベルデザインから全て手作り。サイズも一つ一つ違うというから驚きです。

沖縄のバス停を思わせる風景。一人でバスを待つ女性が物語を感じさせます
沖縄のバス停を思わせる風景。一人でバスを待つ女性が物語を感じさせます

箱をスライドすると、中には幻想的なミニチュアの世界が。どこか異国の駅やバス停だったり、パーラーやコーヒースタンドのある街角だったり―。あるいは、不思議な生き物が現れることも。

どこかエキゾチックな雰囲気の風景には、たかいさんがかつて旅したインドや東南アジアなどの風景のイメージが反映されているそうです。

月や夜をモチーフにした作品では、小さなライトがともるように工作されている箱もあって、箱ごとにいろいろな世界が広がっています。

白い風景が印象的な作品。ライトで光る工作が施され、幻想的なムードを演出します
白い風景が印象的な作品。ライトで光る工作が施され、幻想的なムードを演出します

たかいさんが目指しているものは、想像力を使って遊ぶ大人のための玩具。「作る時はストーリーを考えていますが、受け取り方はその人の自由。ゆっくり見て、その人なりの想像の世界をつくってほしい」と話します。

「マッチ箱の作品作りは細かい作業なので疲れます」と苦笑しつつも、楽しそうな笑顔を見せるたかいさん。これからもどんどん、マッチ箱の中の不思議な世界を私たちに見せてくれそうです。


作品は4000円~を目安に販売(作品の規模、ライトなどの工作の有無によっても価格は異なります)。お店への訪問には、事前に電話予約が必要です。

(2023年11月23日 週刊レキオ掲載)

エルサラ雑貨

読谷村波平2171 うめの荘103
090-7984-2404
営業時間 13~17時
水曜・木曜定休
Instagram:@elsala_zakka