沖縄県の池田竹州副知事と琉球大学の西田睦学長は21日に県庁で面談し、慢性的な薬剤師不足の解消や県内国公立大学への薬学部設置に向けて、県と大学で協議の場を設置することで合意した。
池田副知事は薬学部設置には高いハードルがあると理解を示し、国への財政支援を求めることなども含め「県も知恵を絞り、汗をかいていきたい」と述べた。
西田学長は、現行制度で新たな学部設置や学生定員を増やすのは困難があると説明。行政からの財政支援とは別に、地域全体で薬学部設置を求める動きも必要として、県としての主体的関与を求めた。
薬剤師不足が続く県内事情とは反対に、文科省は全国的に薬剤師の供給過剰が起こりうるとして、薬学部定員を抑制する方針を示している。面談後、西田学長は国の動向や今後加速する人口減少社会の中で、薬剤師不足がいつまで続くか、また、薬学部設置以外の施策がないか検討することも必要だとし、「多角的に県と協議していきたい」と語った。
県は薬学部設置に向けた推進協議会を設立し、今年2月に基本方針を策定。その後、県内大学から薬学部設置構想を募集していたが応募がなかった。琉大側は、財政支援や人材確保などの課題があるとして応募を見合わせていたが、県側に「県と緊密に連携しつつ協議を進めたい」と回答していた。
(嘉陽拓也)