一括交付金10年ぶり増額 24年度の沖縄関係当初予算 県が求める1千億台は4年連続割り込み


一括交付金10年ぶり増額 24年度の沖縄関係当初予算 県が求める1千億台は4年連続割り込み 首相官邸
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 【東京】政府は22日の閣議で、2024年度の沖縄関係予算案を前年度比1億円減の2678億円と決定した。県の自由度が高い「沖縄振興一括交付金」は、23年度当初予算759億円から4億円増の763億円となった。10年ぶりの増額だが、県が求める1千億円台は4年連続で割り込んだ。国直轄の「沖縄振興特定事業推進費(推進費)」は23年度当初予算と同額の85億円となった。

 政府は24年度当初予算で、防衛力強化のための公共インフラ整備費用を沖縄関係予算に盛り込む方針だったが、県側との調整がつかず、予算計上は見送った。

 一括交付金の内訳は、「ハード交付金」が23年度当初予算と同額の368億円、「ソフト交付金」は同390億円から4億円増の394億円。

 「子どもの貧困」の対策事業は同2億円増の19億円とした。24年度末までの事業完了を目指す琉球大学医学部と同大学病院の移転を中心とする「沖縄健康医療拠点」の整備事業は、前年度当初予算と同額の143億円だが、23年度補正予算と合わせて253億円を措置する。

 沖縄科学技術大学院大学(OIST)も23年度当初予算と同じ196億円で、同補正予算と合わせて222億円とする。

 「強い沖縄経済」に向けた産業振興策には計34億円を計上した。このうち、新型コロナの収束に伴う観光需要の急回復で人手不足が深刻化している観光事業者への支援策に5億円、国際的な観光地にふさわしい沿道の景観整備事業に2億円を充てる。(安里洋輔)