還付金詐欺で「出し子」の男を逮捕　沖縄で相次ぐ被害30件以上のほとんどに関与か　愛知県内で現金引き出す　窃盗容疑

　役所職員を名乗る人物が還付金返還をかたって現金をだまし取る特殊詐欺（還付金詐欺）被害が沖縄県内各地で発生している件で、県警は27日、だまし取った金を引き出す「出し子」として関わったとみられる男（22）を窃盗容疑で逮捕した。県警は男が今月中旬以降に県内で発生しているほぼ全ての事案で「出し子」を担当したと見ており、今後は詐欺容疑での立件に向けて捜査を進めている。

　県警組織犯罪対策課によると、今月中旬から県内各地で未遂を含めて少なくとも30件以上の還付金詐欺被害が発生しており、被害総額は2千万円を超える。

　容疑者は住所不定で無職の男。27日、愛知県のコンビニATMで他人名義のキャッシュカードで現金約40万円を引き出したところで捜査員に確保された。他にも他人名義のキャッシュカードを複数枚所有していたという。

　沖縄県警によると、今月中旬以降の還付金詐欺で振り込まれた被害金のほとんどが愛知県で引き出されていた。同県に捜査員を派遣して防犯カメラ映像を調べたところ、容疑者が「出し子」をしている疑いが強まったという。

　県警は電話を掛けてだます「掛け子」や指示役などの特定に向けて捜査を進めるとともに、「ATMを操作させて、還付金を返還することは絶対にない」と注意を強く呼びかけている。