視聴者投票で沖縄一の面白い芸人を決める、「O―1グランプリ2024」(沖縄テレビ放送主催)が2日、那覇市の沖縄テレビで開かれ、敗者復活戦から挑戦したエンターサポートの「プロパン7(セブン)」が初優勝を果たした。大会は64組が出場し、敗者復活1組を含む9組が本戦に出場。敗者復活から勝ち上がっての優勝も大会史上初といい、初物尽くしの初笑いとなった。昨年で結成20年を迎えた2人は「これからはO―1王者として、沖縄を盛り上げていきたい」と最高の形で新たなスタートを切った。
お笑いで人々のエネルギーに
プロパン7はじゅぴのりさん(46)とけいたりんさん(46)の那覇高校出身のコンビ。高校で知り合った2人は2003年4月から芸能事務所に所属し、プロパン7を結成。本格的にお笑いに取り組み始めた。コンビ名は沖縄で主流のプロパンガスのように、お笑いで人々のエネルギーになることを誓って命名した。「7」は2人が趣味で活動していた時にお世話になったライブハウスの名前からとった。
じゅぴのりさんは「(年が明け)今年で結成21年目になった。コンビの節目としてどうしても優勝したかった」と今大会に懸けた思いを打ち明けた。
2007年に始まったO―1グランプリには1回目から挑戦してきた。21年大会で準優勝してコンビの実力は証明済みではあるものの、前回の17回大会は敗者復活でも届かず予選落ちし、年明けの本戦に進めなかった。芸人を続けることへの焦りも感じたというが、2人で優勝するという夢は諦められなかった。
コンビ結成から20年となった2023年、同じように敗者復活で敗退したコンビを誘い、2カ月に1回の頻度でライブを開催し、研さんを積んだ。
キロロが沖縄おばぁの話?
満を持して挑んだ18回目のO―1グランプリ。最終予選は10位と本戦出場の8組に入れなかったが、敗者復活の1枠を勝ち取り、ファイナリスト9組に名を連ねた。本戦でも勢いそのままにファーストラウンドを突破した。
ファイナルラウンドでは沖縄出身の音楽ユニット「キロロ」の2人が、ライブ中に「沖縄おばぁ」にまつわる話をしていたらという世界観をコントで表現。プロパン7の真骨頂ともいえる沖縄あるあるに会場が沸いた。
結果発表で優勝が伝えられると、けいたりんさんはこぶしを突き上げたガッツポーズで喜びを爆発させた。今年は主催の沖縄テレビも開局65周年を迎えたことにちなみ、優勝賞金65万円が贈られた。
諦めないことでかなえた悲願の頂点。じゅぴのりさんは「敗者復活は自分たちにとっては慣れた道だったので、とにかく自分たちらしさを意識した」と笑顔を見せた。
(名嘉一心)
プロパン7は28日午後4時から、那覇市牧志の那覇市ぶんかテンブス館で単独ライブを開く(午後3時半開場)。優勝を決めたコント「キロロ~」も披露する。チケットの予約販売は終了しており、当日券の販売は残り座席次第となる。問い合わせはエンターサポート、電話098(874)3279。