【全文】「公益侵害要件の法令解釈に重大な誤り」 沖縄県が上告受理申立書を最高裁に提出 代執行訴訟


【全文】「公益侵害要件の法令解釈に重大な誤り」 沖縄県が上告受理申立書を最高裁に提出 代執行訴訟 新基地建設が進む米軍キャンプ・シュワブ沿岸(奥左)。右側は大浦湾=1月3日、名護市辺野古(小型無人機で大城直也撮影)
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沖縄県名護市辺野古の新基地建設の設計変更申請承認を巡る代執行訴訟で、沖縄県は19日、上告受理申立理由書を最高裁に提出した。県に承認を命じた昨年12月20日の福岡高裁那覇支部判決が認めた代執行の3要件の該当について反論した。判決の判断根拠は「法令違反などの要件の解釈を誤っている」などと訴えた。

高裁判決は、国土交通相が県に承認するよう求めた是正の指示を巡る訴訟の最高裁判決(昨年9月4日)を基に、県の法令違反を認定した。

県は理由書で、最高裁判決が公有水面埋立法(公水法)上の関係規定の法令違反を判断していないと指摘。高裁は、公水法上の関係規定違反を改めて審理せずに県の法令違反を認定したと批判した。

代執行以外の方法として、県が国に求めていた対話がその方法に当たらないと判断されたことには、地方自治法の制度趣旨の解釈などから、「排斥する解釈はできない」と主張した。

県が承認しないことを放置することによる公益侵害については、県が承認しない状態が続くことによる利益も総合的に考慮すべきだとして、「公益侵害要件の法令解釈に重大な誤りがある」と訴えた。

代執行訴訟の承認命令判決に県は従わず、国交相が昨年12月28日、県に代わって沖縄防衛局の申請を承認した。沖縄防衛局は今年1月10日、軟弱地盤が広がる大浦湾側の埋め立て工事に着手した。県が最高裁で逆転勝訴しない限り、工事は止まらない。