水や土壌のPFAS汚染「基地の負担知って」 沖縄で取材しアート作品に 鈴木萌さん 墨田区のギャラリーで25日まで写真展 東京


水や土壌のPFAS汚染「基地の負担知って」 沖縄で取材しアート作品に 鈴木萌さん 墨田区のギャラリーで25日まで写真展 東京 有機フッ素化合物(PFAS)汚染問題をアートで伝える鈴木萌さん
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 【東京】在沖米軍基地周辺で発がん性が指摘される有機フッ素化合物(PFAS)が高濃度で検出されている問題を題材に、美術作家の鈴木萌さん(39)=東京都=が写真展「Aabuku」(アーブク)を東京都で開催している。写真などの視覚的アート作品を通じて表現する。

 鈴木さんはPFAS汚染問題について2020年末ごろから調査を始め、21年から3年間、沖縄県内に通って宜野湾市や北谷町、嘉手納町、金武町、うるま市などに住む20人以上を取材した。写真展では、暮らしの中で水との関わりがある住民たちの写真を掲示。その裏にはそれぞれの水との関わりやPFAS汚染に対する思いを文章と手書きの地図で紹介している。

 水の入ったペットボトルをのぞき込むと、取材で撮りためたPFAS汚染にまつわる写真が見える仕掛けもある。左右の壁全面は、米軍基地内への立ち入り調査を求める県に対し、立ちはだかる日米地位協定を表現した作品となっている。

 鈴木さんは「一人一人の生活の中に(基地負担の)影が入り込んできている。私たちが押しつけている基地負担について県外へ伝えたいと思った。自分たちと変わらない人たちが、汚染がなければ考える必要のない事を考えざるを得ない現実を感じてほしい」と語った。

 会場は東京都墨田区東向島の「Reminders Photography Stronghold(リマインダーズ・フォトグラフィー・ストロングホールド)」。25日まで午後1~7時。入場無料。県内でも8月ごろに写真展を開催する予定。問い合わせはメール、photobook@reminders-project.org  (明真南斗)