【東京】沖縄県名護市辺野古の新基地建設を巡り、大浦湾側の工事が始まったことを受けて15日、名護市と政府の初の協議会が官邸内で始まった。渡具知武豊名護市長や、辺野古、久志、豊原の3区(久辺3区)の区長が参加した。政府側は栗生俊一内閣官房副長官が出席している。
建設工事による騒音被害や、周辺住民への生活環境に影響を出さないための環境づくりなどを協議するとみられる。会議は全て非公開。
渡具知市長が移設に対する賛否を明言しない姿勢を取っていることから、これまでは政府と久辺3区は「久辺3区の振興に関する懇談会」を設けて振興策を話し合ってきた。昨年12月に埋め立て予定地に広がる軟弱地盤の改良工事に向けた設計変更申請の承認を国土交通相が代執行したことを受け、防衛省は今年1月10日に大浦湾側の工事を始めた。工事の進展を前提に名護市と直接協議する。
渡具知市長は2月、大浦湾側の工事が本格化する中、米軍キャンプ・シュワブでの騒音や交通渋滞などの問題について「政府と直接協議できる場」の設置を求めた。これに対し、林芳正官房長官は前向きに検討する旨の回答をしていた。
(嘉数陽)