妻夫木聡さんが主演に 戦後の沖縄描く「宝島」が映画化 直木賞受賞作 2025年に公開予定 


妻夫木聡さんが主演に 戦後の沖縄描く「宝島」が映画化 直木賞受賞作 2025年に公開予定  映画「宝島」に出演する妻夫木聡さん(右上)、(右下から)永山瑛太さん、窪田正孝さん、広瀬すずさん(提供)
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 第160回直木賞、第9回山田風太郎賞、第5回沖縄書店大賞を受賞した真藤順丈さんの小説「宝島」が映画化される。2025年公開予定。主演に妻夫木聡さんを迎え、広瀬すずさん、窪田正孝さん、永山瑛太さんらが出演する。監督は「るろうに剣心」シリーズやNHK在籍中に連続テレビ小説「ちゅらさん」を手がけた大友啓史監督。

 物語は戦後の沖縄を舞台に、米軍基地から奪った物資を住民らに分け与える「戦果アギヤー」と呼ばれる若者たちの姿を描く。

 大友監督は、原作にほれ込み映像化を熱望。「私たちが記憶の底で、遺伝子の隅々まで忘れてはいけない物語が確実に存在する。戦後の沖縄を舞台に描かれる『宝島』は、まさにそんな類いの物語だ」と語る。

 原作者の真藤さんは「沖縄人たちが死に物狂いで獲得してきたもの、払われた犠牲、暗闇の奥から差しだしてくれている祈りの手を、映画という形でつかみ返してくれるはずだ」と期待する。

 映画「涙そうそう」でも主演を務めた妻夫木さんは「再びコザを舞台にしたこの作品でグスクを演じることに運命を感じている。沖縄には、いまだ続いている問題がたくさんある。みんなの言葉にならない声を芝居に変えて伝えていくことが、この作品に導かれた僕の使命だと思っている」とコメントを発表した。

(嘉手苅友也)