prime

【識者談話】「王国」の秘蔵品を数多く紹介 台湾故宮で「琉球展」 海外顧問の赤嶺守・名桜大教授に聞く


【識者談話】「王国」の秘蔵品を数多く紹介 台湾故宮で「琉球展」 海外顧問の赤嶺守・名桜大教授に聞く
この記事を書いた人 Avatar photo 呉俐君

 台湾の故宮博物院(嘉義県の南院)で特別展「万国津梁:東アジア海上の琉球」が開催される。台湾で初めて数百年の「琉球王国」の歴史・文化を展示することとなり、同展の海外顧問を担当する名桜大学の赤嶺守教授に展示会の見どころや開催の意義などを聞いた。

 戦後の国共内戦に伴い、中国本土から多くの貴重な文物が運び出され、台北の故宮博物院や中央研究院・国家図書館に大切に保管されている。

 その中には琉球王国関連の文物も多く含まれている。今回、故宮博物院(南院)で開催される琉球王国展では、日本側からの出品以外に、そうした台湾が収蔵する普段公開されない秘蔵品も多く展示される。

 台湾大学図書館が収蔵する台北帝国大学時代に筆写収集された、日本国内には現存しない王府が作成した外交文書「歴代宝案」や那覇の行政文書の「親見世日記」、冊封使の応接に関わる「冠船日記」、そして「琉球國新建儒學碑記」(1719年)など石碑の拓本も展示される。

 毎年多くの観光客が沖縄を訪れ沖縄に対する関心が高く、琉球王国関連の貴重な文物を多く収蔵している台湾だからこそ開催し得る王国展だと言える。

 (呉俐君)