【辺野古問題取材班】米軍普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古の新基地建設に関し、新基地建設に反対するヘリ基地反対協議会・海上行動チームが29日、辺野古崎東側の長島付近にある臨時制限区域内の海底で絶滅危惧種ジュゴンの食(は)み跡のような痕跡を確認した。同チームが31日、会見を開いて明らかにした。
チームのメンバーは「ジュゴンの食み跡であればしっかりとした科学的調査が必要だ」と訴え、沖縄県による調査を求めた。防衛局に対しても工事を止めて県の調査に協力するよう求めた。
同チームによると、食み跡のような痕跡は海面上からの目視で水深約8~10メートルの海底の海草とみられる上に、確認できた範囲で長さ約20メートルに渡って線状に続いていた。海底の白い砂地が線状に続く様子が不自然だとメンバーが感じ、同チームはジュゴンの食み跡とみられると判断した。
沖縄県のジュゴン保護対策事業では、線状のジュゴン食み跡について、ジュゴンの顔の大きさに相当する幅15-30センチで、底質が掘り起こされ地下茎や地下茎の一部まで食べられていること、などと定義している。
同チームによると、新基地建設工事は7月20日から1週間ほど止まっていた。台風3号の影響とみられる。会見でメンバーの一人は「静かな海に戻ったらジュゴンが戻ってきてくれるのではないか」と期待した。(武井悠、慶田城七瀬)