【東京】「ゴーヤとゴーヤーはどう違う? 沖縄とヤマト、溝を考える」をテーマにした催し(沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック主催)が16日、東京都文京区の林野会館であった。うちなーぐち講師の比嘉光龍(ふぃじゃ・ばいろん)さんのオンライン講演や、芸能公演とめじろ押しの企画。討論では「民族ルーツを持たない人が特定民族の言葉を安易に商品、エンタメ化で使うのはやめてほしい」との指摘もあり、考慮のない琉球諸語の使い方に異議を唱えた。
比嘉さんは、連綿と語り継がれ、地域でも異なる沖縄の言葉を琉球諸語と定義。「方言か言語かと言えば、私は言語という立場。方言と言ってしまっては私たちのアイデンティティー、文化が尊重されない。言語という認識はとても大切」と話し、今や語り継ぎが危機にひんする琉球諸語復興の重要性を説いた。
琉球諸語が文化を育んだ歴史を踏まえて比嘉さんは「日本国籍を持っていても、私は日本人ではなく、琉球人」と宣明した。
討論では牧師の平良愛香さんが司会を務め、市民団体「ニライ・カナイぬ会」共同代表の仲村涼子さん、沖縄基地問題を考える小金井の会の米須清真さんが「沖縄とヤマトの溝」を語った。
仲村さんは「民族も違うのに溝を埋めてしまえば同化が進むだけ。弾圧、侵略された側は対等になり、主権、権利を獲得しない限りは、むしろこの溝はないといけない」と強調した。米須さんは「ヤマトの人には自らの歴史的な立ち位置を踏まえて、いびつな権力構造をどうすればいいのか考えてほしい」と要望した。
(斎藤学)