沖縄科学技術大学院大学(OIST)はこのほど、同大が開発した注意欠如・多動症(ADHD)がある子どもの保護者向けプログラム「ペアレント・トレーニング(ペアトレ)」の一連の成果が、科学雑誌「Journal of Child Psychology and Psychiatry」に掲載されたと発表した。
同プログラムでは、複数人の保護者がグループを組んでADHDの子どもの特性や対処方法を学ぶ。親を通して子どもの行動に介入し、子どもの行動変容を目指す。
ADHDの子どもを持つ日本人の母親を対象にした通常治療と比較して、同プログラムの有効性と費用対効果が評価され、論文が掲載された。論文の筆頭著者を務めた県出身の島袋静香博士は、プログラムへの貢献が高く評価され、4月に文部科学大臣表彰を受けた。
島袋博士は「最終的に人々のADHDへの理解が進み、支援の質が向上し、地域で助けが得られる場所を増やしていくための手助けをしたいと考えている」とコメントした。
(嶋岡すみれ)