10月17日は「沖縄そばの日」に当たる。沖縄県民の「ソウルフード」の一つとも言える沖縄そば。実は県内でも、地域ごとに特徴があると言われる。元々、沖縄そばのルーツとされる「唐人そば」の歴史は、約120年前にさかのぼる。「沖縄県史 各論編9 民俗」によると、当初は中華麺の影響が大きかったとみられる。戦前から戦中、戦後の長い年月を経て沖縄そばの味や麺は那覇から県内各地へ広がったとみられ、地域ごとに麺やだし、具材に特徴や傾向があると言われる。
特に大きな特徴の一つが麺だ。沖縄生麺協同組合によると、本島北部は、平たい太めの麺が多い。本島中部は、太麺が多く、本島南部は細麺が多いと言われる。宮古は薄い細麺でこしが強い。八重山は丸麺が特徴。久米島は細麺だが、がっちりとした厚めの傾向があるという。ただし、近年は地域ごとではなく、利用客らの好みで選ばれる側面もあるそうだ。
同組合理事長の伊波興健さんは「それぞれの地域(の製麺業者)でも、複数の種類の麺を作れる。例えば、北部で細麺を扱う店もあるだろう。主力になるものに特徴が出ている。お客さんの要望に応え、食べて納得していただけるようにしていると思う。縮れ麺だと、スープが乗りやすいなど、好みもあるのではないか」と語る。
新型コロナウイルスの影響が大きい時期は観光客が急激に減った影響もあり、沖縄そばの販売量も低下傾向にあったという。しかし、コロナ禍が落ち着く中で、売り上げも回復している。
販売方法も多様化している。店で食べるだけでなく、スーパーなどで購入できる袋入りのゆで麺、乾麺、カップ麺もある。つゆも、そのまま温めて使える液状の商品や粉末もある。三枚肉やソーキなどの具材をレトルトパックした形で購入できる。コンビニエンスストアでも、お湯を注ぐだけですぐに沖縄そばを作れるカップ商品も登場している。
伊波さんは「沖縄のソウルフードとして、コンビニでも売ってもらえるのはいい」と歓迎し「県外から沖縄を訪れた人たちが必ず1杯は召し上がってもらえたらと思う」と話す。近年の沖縄そば業界の課題として「(そば店主らによると)三枚肉や軟骨ソーキなどが品薄になっている」ことを挙げる伊波さん。「これに代わる具材もあるといい。例えば海産物も(具材の選択肢として)あっていいのではないか」とのアイデアを巡らせた。(古堅一樹)
17、18日に「沖縄そばの日」フェス 那覇中央郵便局で 宮古や八重山、久米島、本島各地の麺を1杯100円で味巡り
あなたは、どの沖縄そばが好き? 10月17日の「沖縄そばの日」に合わせ、沖縄生麺協同組合は17、18の両日に那覇市壺川の那覇中央郵便局で「沖縄そばの日フェスタ …