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鎮魂と平和へ祈り パラオ慰霊墓参 「沖縄の塔」で犠牲者3400人しのぶ


鎮魂と平和へ祈り パラオ慰霊墓参 「沖縄の塔」で犠牲者3400人しのぶ 「パラオ慰霊墓参の旅」の参加者ら=30日、パラオのコロール(国際旅行社提供)
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 太平洋戦争の巻き添えで犠牲になった県出身者を追悼する「パラオ慰霊墓参の旅」(国際旅行社)の一行は30日、パラオ・コロールにある「沖縄の塔」を訪れた。戦争で命を奪われた県人3400人をしのび、鎮魂と平和を願った。

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 パラオは、戦前は日本の統治下に置かれ、大勢の県人が移り住んだ。太平洋戦争では空襲や飢えで犠牲になった。

 「沖縄の塔」には30日、沖縄から参加者らが持参した菓子のほか、果物や花、現地に住む県出身者がつくったおにぎりなどが供えられた。一行は花を手向け、手を合わせて犠牲になった家族や親類をしのんだ。

 パラオで生まれ、3歳で沖縄に引き揚げた渡久山盛幸さん(81)は「素晴らしい焼香ができて万感の思い。亡くなった妹を思い浮かべてお祈りをした」と語った。祖父を亡くした山入端裕子さん(87)のパラオ訪問は約80年ぶり。「戦争はやっぱり嫌だな、という思いで手を合わせた。コロールがウクライナみたいに爆撃を受けていた様子を思い出す。戦争はしてほしくない」と声のトーンを強めた。一行は30日、コロール州知事とも面談した。1日は、希望者が激戦地となったアンガウル島とペリリュー島を訪れる予定。(中村万里子)