地元の漁師らに機体の危険性に関する情報を伝えないまま、米軍オスプレイ屋久島沖墜落事故の捜索活動に当たらせていたことについて、矢ヶ崎克馬琉球大名誉教授(物性物理学)は「軍事用のオスプレイにはどんな放射性物質の危険が潜んでいるのか明らかになっていない。民間の漁民が搭乗員の救助をすることはいいが、機体そのものの回収は絶対にやらない方がいい。重大な問題だ」と語った。
前泊博盛沖縄国際大教授(安全保障論)は、同大に米軍ヘリコプターが墜落した事故の際に「被ばくの可能性がある」と言って米軍が規制線を張っていたことを指摘。「今回は米軍が何を積んでいたのかも明らかにしないまま、民間に捜索に当たらせている。人命軽視のあり得ない対応だ。日本政府もしっかり情報開示させるべきだ」と批判した。「これまで軍事機密と言って現場に立ち入れさせなかった米軍が、今回はあまりにも現場を放置し救助も後手に回っている」と述べた。
(南彰)
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