LGBTQなど、性的マイノリティーを認め合う共生社会を目指すイベント「ピンクドット沖縄2023」が10日、那覇市ぶんかテンブス館前広場で開催される。13年の初開催から10年の節目。「ピンクドット沖縄2023」を主催するピンクドット沖縄の高倉直久代表理事(ホテルパームロイヤルNAHA総支配人)に催しの意義などについて聞いた。
―初開催から10年の節目となる。
第1回に協賛企業として携わったが、当事者が自分らしく生きられていないことを知りショックを受けた。ホテル業に携わっているので、LGBTフレンドリー宣言をどこよりも先に打ち出し、性の多様性に関する講演やイベントをすることで啓発活動を繰り返してきた。認識は徐々にだが広がっていると実感する。
―性の多様性を巡る現状は。
行政や企業レベルでは性の多様性への理解を促進させる動きが見られるものの、市民レベルでは家族や職場に性的指向や性自認を隠している人が非常に多い。ある調査では日本におけるLGBTQの人口は8・9%いるとされる。カミングアウトする環境にない現状があるとみている。
―今回のテーマは。
「マリッジ・イクオリティ・ネクスト」と掲げている。結婚の平等について、取り組みや国内の状況を次のステージにステップアップさせたいという思いがある。同性婚を認めないのは憲法違反だとして、全国5カ所で訴訟が起こったが、4件で違憲ないし違憲状態の判決が出たことは前進だと思う。世論の流れと裁判の結果を受けて、政府にはより踏み込んだ判断をしてほしい。
―県民に訴えたいことは。
人口の8・9%とは、沖縄だと県民に多い姓の「比嘉」「金城」「大城」さんの総人口と匹敵するくらいの数字だ。そのくらい当事者がいるということをぜひ理解してほしい。昨年に続きパレードも開催する。誰もが自分らしく生きられる、過ごしやすいよう配慮できる優しい島を目指すため、多くの来場を求めたい。
(聞き手・小波津智也)