南城市役所（資料写真）
南 彰 古謝景春南城市長のセクハラ疑惑を受けて、南城市議会で20日、市長に対する質疑が行われる。識者からは疑惑発覚後の市長の言動も「セクハラやパワハラにあたる」との指摘が出ている。野党、中立、無会派の市議から疑惑を解明する特別委員会（百条委員会）を設置する動議も提出された。市長を支える与党会派の対応が焦点となる。
今回の問題は、市長の運転手をしていた女性が昨年12月、「市長からセクハラを受けた」と申告。市長は当初「すみませんでした」「私はいつでも辞める覚悟です」と女性にメッセージを送っていたが、その後、市長は第三者を入れた調査を拒否。市は同月末に女性の契約を解除した。
航空自衛隊那覇基地で起きたセクハラ事件の被害者代理人を務める武井由起子弁護士は、契約解除を問題視。「事実であれば、厚生労働省が指針で『出張中の車内で、上司が女性部下の腰や胸にさわったが、抵抗されたため、その部下に不利益な配置転換をした』と例を挙げる『対価型セクハラ』にあたる」と指摘する。
疑惑発覚後の市長の言動も問題になっている。市長が「（告発者の）やったことを全部暴露する」と発言したことについては、武井弁護士は「パワハラにもなりうる」と指摘。一部報道機関の取材に「（告発者を）女性として魅力を感じていなかった」と発言したことについては、「職員に対し性的な関心を投影させていたことがうかがわれ、それに基づく発言はセクハラになりうる」と語った。「このような市長の事後の言動により、ハラスメントがあったのではないかという疑いも強まりかねない」との見方を示した。
県内でフラワーデモを主催する上野さやかさんも「被害を訴えることは勇気がいることだ。そもそも勝手に第三者の体を触ること自体が問題で、正当化する際に『女性として見ていなかった』という認識はおかしい」と話している。
南城市役所前では20日午前9時から、県内在住の女性有志でつくる「フェミブリッジアクション＠沖縄」が、疑惑の真相解明を求めるとともに、市長の言動に抗議するサイレントスタンディングを行う予定だ。
（南彰）
