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「南部の土には遺骨が…」 沖縄戦遺族、具志堅さん支援に駆け付ける 那覇でハンスト


「南部の土には遺骨が…」 沖縄戦遺族、具志堅さん支援に駆け付ける 那覇でハンスト 南部土砂の採取や辺野古新基地建設をやめるよう訴える市民ら=11日、那覇市の県民広場
この記事を書いた人 Avatar photo 中村 万里子

辺野古新基地建設のための本島南部の土砂採取をやめるよう求める、沖縄戦遺骨収集ボランティア「ガマフヤー」代表の具志堅隆松さん(69)らのハンガーストライキは11日、2日目を迎えた。ハンストを行う那覇市の県民広場には糸満市民や沖縄戦の遺族、与党県議らも駆けつけた。

 正午の集会で具志堅さんが「ウチナーンチュは諦めない。平和な沖縄を子や孫に残せるよう頑張ろう」と呼びかけると拍手が湧いた。詩人、批評家の高良勉さん(74)は沖縄戦で命を落とした兄の無念を、マイクを握って訴えた。兄は衛生兵で、伊原第一外科壕で目撃されたのが最後。父母は小石三つを墓に入れたという。「遺族にとっては石が遺骨だ。兄のためにも埋め立てに使わせる訳にはいかない」

 集会には土砂採取予定地の糸満市を拠点に活動する「島ぐるみ会議いとまん」のメンバーも駆けつけた。上原常子さん(75)=同市=の母親は沖縄戦で夫と娘を亡くし、兵士だった夫は南部で自決したという。「南部の土には肉体がしみ込み、ばらばらになった遺骨が眠っている。石を取ることは許されないと、みんな思っているはず。声を上げてほしい」と話した。サイパンで戦争を体験した横田チヨ子さん(96)も、具志堅さんを応援し反戦を訴えている。 (中村万里子)