能登半島地震の発生から15日で2週間。被災地周辺の県出身者らは少しずつ日常生活を取り戻しつつある。しかし被災地では断水が続き、インフラの復旧が遅れている。避難を余儀なくされ、不安な日々を過ごす人もいる。影響が長期化する中、被災者支援の取り組みも進んでいる。
石川県白山(はくさん)市の社会福祉施設に勤める川上直樹さん(43)=沖縄市出身=は、9日から輪島市にある系列の入所型施設で、全国から寄せられた支援物資の仕分け作業をしている。
輪島市内の道路は陥没や土砂崩れが起き、遠回りを余儀なくされている。積雪で「物流が寸断される恐れがある」と心配する。同市内では電気の復旧はある程度進んでいるものの、上下水道は寸断されたまま。避難を余儀なくされ、入浴や洗濯もできず、衛生環境の悪化や感染症の拡大が懸念される。「洗濯をしに金沢市内まで行く人もいる」と説明する。
石川県沖縄県人会事務局長の新川日出雄さん(51)=金沢市=は「余震はだいぶ落ち着いてきている」と語る。七尾市に住む県出身者は、先週連絡した時点で「まだ断水している」と話していたという。自身が金沢市内で営む飲食店は片付けを終え、先週水曜日から営業を開始した。しかし人の流れは地震前に比べ、少なくなっているという。県民には引き続き募金などを通じた支援を呼びかけた。
富山県氷見市に住む演出家の比屋根秀斗さん(37)=うるま市出身=は、地震発生から続いていた自宅マンションの断水が1週間ほどで解消した。「市内では道路の液状化や建物の損壊が一部であるものの、物資は足りている印象だ。飲食店も営業している」と言う。東京に住む友人が支援物資を車に乗せ、駆けつけてくれたといい「支援の輪が広がっていることがうれしい」と感謝した。 (渡真利優人、中村万里子)