【うるま】うるま市石川地区の自治会長15人でつくる「石川地区自治会長会」は1日、市石川東山にある東山カントリークラブ跡地への陸上自衛隊訓練場新設計画に反対することを決めた。理由の一つは「教育施設との近さ」だ。訓練場予定地のすぐ隣には県立石川青少年の家がある。石川岳のふもとにあり、県指定の天然記念物のトカゲやホタルなども生息する。多くの学生が体験を通して学びを深める場所だ。所長を務める石原昌二さんは「通常の活動ができなくなる」と心配を募らせる。
訓練場予定地の旭区に住む石原さんは、県立石川青少年の家の指定管理者である市シルバー人材センターからの嘱託で所長を務める。同施設の2022年度の年間利用者数は約4万人。多くは県内の小中高生だ。訓練場予定地との距離は宿泊棟で約60メートル、ナイトウォークで利用する山道からは近い所で約15メートルだ。
青少年の家は石川岳の登山口でもある。石川岳の頂上は204メートルと高くはないが、アップダウンが激しい。「頂上という一つの目標に向かい、生徒たちは協力して登る体験ができる」と話す。
周辺には県指定の天然記念物「イボイモリ」「クロイワトカゲモドキ」も生息する。「オキナワスジボタル」などもおり、ナイトウォークではホタルの光に「生徒は感動する」と、貴重な体験を提供している。
訓練場は、そんな施設のすぐ隣に建設予定だ。「騒音で子どもたちが眠れないかもしれない」「登山や野外炊飯の説明が聞こえないのではないか」と心配が募る。地面をはうようにして生息する生物も多い。「ヘリの震動などが影響を与えないか」との懸念もある。
石原さんは、自然豊かな環境での体験を重視する同施設で「活動が妨げられることを心配している」と顔を曇らせ「建設を断念してほしい」と訴えた。
(金盛文香)