学び直しできる「市町村教室」の設置を 珊瑚舎スコーレがデニー知事、赤嶺議長宛てに陳情 沖縄


学び直しできる「市町村教室」の設置を 珊瑚舎スコーレがデニー知事、赤嶺議長宛てに陳情 沖縄 イメージ
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 南城市の珊瑚舎スコーレ高等部を運営する学校法人雙星舎(そうせいしゃ)(星野人史理事長)は5日、玉城デニー知事と赤嶺昇県議会議長宛てに、義務教育未修了者や不登校者らを対象とした、学び直しができる「市町村教室」の設置を求めて陳情書を提出した。

 雙星舎は全国初となる私立夜間中学校「珊瑚舎スコーレ東表(あがりおもて)中学校」を4月に開校予定。陳情書では、公的な卒業証書の発行ができる「東表中学」を運営主体とした「市町村教室」の開校を、県がけん引して進めることを求めた。

 2004年から20年、自主夜間中学を運営していたNPO法人珊瑚舎スコーレは、高等部を運営する雙星舎を設置主体として2022年3月、私立夜間中の設置を県に申請した。一度は「設置基準を満たしていない」として県が認可しなかったが、23年9月の再申請は妥当と認められ、本年度中に正式認可される見通し。

 陳情で星野理事長は「できる限り多くの義務教育未修了者などに学びの場を用意したい」と訴えた。

 各地域への設置は通学が困難な対象者の学ぶ権利を保障する目的がある。貧困が障壁とならないよう、学費は「東表中学」と同様に無償とすることも求めた。

 「市町村教室を25年度から開校する」「募集生徒は学齢期を過ぎた義務教育未修了者、形式卒業者、学齢期の不登校者などとする」「施設や設備などの運営費は県と各市町村が出費し、県はその50%を下回らない」「これらを協議、実施するための担当部局を県総務部私学課に設置する」―なども要望した。 

(嘉数陽)