恒常化「合点いかない」 基地周辺住民 抗議無視に怒り 嘉手納降下訓練


恒常化「合点いかない」 基地周辺住民 抗議無視に怒り 嘉手納降下訓練 パラシュートで降下する米兵=15日午後5時52分、嘉手納町の米軍嘉手納基地(大城直也撮影)
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 まぶしい日差しが照りつける中、米軍嘉手納基地上空を飛行するMC130J特殊作戦機から兵士が次々と飛び降り、パラシュートを開いた。地元自治体や県が一貫して訓練中止を求める中、米軍は15日、嘉手納基地での降下訓練を3カ月連続で強行した。沖縄市、嘉手納町、北谷町でつくる「嘉手納飛行場に関する三市町連絡協議会」(三連協)や嘉手納町議などは嘉手納町役場の屋上や道の駅から、カメラや双眼鏡を使って米軍がわが物顔で行う訓練を見つめた。度重なる訓練に「恒常化している。がってぃんならん(合点がいかない)」と憤る町民もいた。

 嘉手納町議会基地対策特別委員会の當山均委員長は「3カ月連続の実施は定期的と言わずして何と言うのか。これ以上何を求めたらいいのか」と顔をしかめる。今月9日に町議会で嘉手納基地第18航空団に対して抗議要請をしたばかりだ。「伊江島補助飛行場の滑走路の状況についても何の説明もなかった。嘉手納を使用するなら自ら滑走路の状況を説明するのが筋だ」と憤った。

 基地周辺には住宅地が隣接し、重大事故につながる危険性を懸念する声もある。嘉手納基地爆音差止訴訟原告団嘉手納支部の福地勉支部長=町水釜=は「いつ落ちてくるかも分からない不安を抱えなくてはならず、生活環境を悪化させる米軍の横暴な対応に憤りを感じる」と怒りをあらわにした。三連協や各議会から訓練に抗議の声が上がっている状況を踏まえ、「なし崩し的に実施し、何でもありの状況をつくろうとしているのではないか」と米軍の対応を疑問視した。

(石井恵理菜、名嘉一心)