1999年、春の選抜高校野球大会(センバツ)で沖縄尚学を県勢初の全国制覇に導いた当時の金城孝夫監督が古希を迎え、優勝メンバーや野球部OBの60人が18日、那覇市内のホテルで祝いの会を開いた。
県民が沸いたあの歓喜から25年ー。金城さんは70歳になった今も愛知黎明高校で、野球部監督としてチームを率いている。
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金城さんは96年に沖尚のコーチ、98年に監督に就任した。日常生活の指導を重視し、甲子園で春夏通じて県勢初の快挙を成し遂げた。東農大三(埼玉)や長崎日大(長崎)を経て、沖尚赴任前に20年指導していた弥富高(現愛知黎明)に2019年に戻り、監督を務めている。
沖尚OBが学年を超えて集まり、金城さんを囲むのは今回が初めて。金城さんは「教え子が期待以上に社会で活躍しているから、こんな会を開いてもらえている。指導者冥利(みょうり)につきる」と感無量の思いを伝えた。
現在の愛知黎明では私財を投じて野球部寮を建設した。部員と生活を共にし、これまでと変わらず人間力を磨く指導を続ける。99年の沖尚エースで、現野球部監督の比嘉公也さんは「責任ある立場を続けている情熱は見習わないといけない。『さすが沖尚だ』と言われる生徒をつくっていきたい」と話した。
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OBからは、寮生活を支えた妻の邦子さんへの感謝の声も多く聞かれた。金城さんと古希祝いに参加した邦子さんは、当時の寮の鍋を愛知黎明の寮でも使っているエピソードを紹介した。
「家族に支えられここまで来られた。今の若い先生は家庭と現場の指導との両立で苦労していると思うが、私はそういう苦労がなかった。もう一度、母ちゃん(邦子さん)を甲子園に連れて行って引退したい」。金城さんはそう誓ってあいさつを締めくくった。
(當山幸都)