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「平和の礎」名前読み上げで戦争考え 西原中、3年連続で全校生徒参加 沖縄


「平和の礎」名前読み上げで戦争考え 西原中、3年連続で全校生徒参加 沖縄 地元の戦没者の名前を読む練習をする西原中の3年生=28日、西原町、西原中学校
この記事を書いた人 Avatar photo 宮沢 之祐

 沖縄戦などで命を絶たれた24万人余りに思いを寄せる「沖縄『平和の礎(いしじ)』名前を読み上げる集い」に、町立西原中学校(平良真也校長、589人)は3年連続で全校生徒が参加する。「生徒が戦争を自分事として考えるようになった」と平和学習担当の教諭、久場小百合さん(53)。今回は3年生が7日に平和の礎を訪ね、西原町の碑の前で初めて名前を読む。校内での読み上げに、住民の参加を募るなど活動の幅を広げている。

 集いは、市民有志でつくる実行委員会が3年前に始めた。今年も平和の礎に刻まれた全ての名前を6月1~23日、オンラインで読み上げる。
 久場さんは生徒の心に響く平和学習を模索してきた。久場さんの祖父母の名前も礎にある。召集され、戦死した祖父は遺骨もない。戦災孤児だった母の苦労を思い、平和への思いを募らせる。

 コロナ禍で戦争体験者の話を聞くことができなかったとき、集いを知った。「平和のためできることが自分にもあると、生徒に実感させられる」と参加を決めた。

 生徒たちは沖縄戦について学び、一人一人の人生を想像しながら名前を読む。思いがけない反応も。住民に刀を向けた日本兵について「見知らぬ所に来て、追い詰められる気持ちも分かる」と話す生徒がいた。礎に北海道の人の名前が多いのを見て気づいたという。

 3年生が28日、名前を読む練習をした。7人分を割り当てられた金城桜子さんは「0歳や1歳の子もいる。名前を大切にしたい」と話す。

 礎にある西原町の刻銘は6万2900人。西原東中学と分担するが、住民にも参加を募ることにした。「地域全体で戦争と平和を考えるきっかけに」と久場さん。生徒が公民館を訪ね、自治会に協力を頼むという。

 西原中学には、他校や教育委員会から取り組みについての相談が寄せられる。今回、県内だけで少なくとも9校が新たに参加する。

  (宮沢之祐)