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泣き虫だった少年、関取に…新十両の嘉陽 那覇の祖父母ら喜び「元気もらった」 沖縄


泣き虫だった少年、関取に…新十両の嘉陽 那覇の祖父母ら喜び「元気もらった」 沖縄 新十両昇進を喜ぶ祖父の嘉陽宗裕さん(右)と祖母の由記子さん。持っている写真では亡くなった父・宗彦さんが嘉陽にミルクを与えている=29日、那覇市
この記事を書いた人 Avatar photo 古川 峻

 大相撲の嘉陽が29日、7月の名古屋場所で県出身7人目の関取になることが決まった。

 那覇市に住む祖父母の嘉陽宗裕さん(70)と由記子さん(67)は「生きる元気を与えてもらった」と快挙を喜ぶ。母のえりかさん(46)=千葉県=は「悔しい思いもたくさんしてきただろうけど、よく腐らずに頑張った」と息子の成長を誇った。

 物心つく前に父の宗彦さん(享年23)を事故で亡くし、那覇市出身のえりかさんと母方の祖母・宮城美江子さん(75)に千葉県で育ててもらった嘉陽。夏休みと冬休みは毎年のように兄・大宗さん(26)と沖縄の祖父母の家で過ごしていた。由記子さんは「おとなしくて体が大きいわけではなかった。あんなに泣き虫だったのに」と少年時代を振り返る。

「百日祝い」でまわしを付ける嘉陽(提供)

 千葉で働くえりかさんは「絶対に本籍は沖縄から変えない」と決めており、嘉陽も大相撲の出身地を自らの意思で那覇市にした。えりかさんは「沖縄出身で出られて本人は喜んでいた」と語る。宗裕さんは「お母さんを喜ばせたい気持ちもあったのでは」と孫の気持ちをおもんぱかる。

 新たな舞台へ向け、宗裕さんは「できるだけ長く土俵に立っていてほしい」、えりかさんは「人の心に残るような熱い一番を見せてほしい」とそれぞれエールを送った。 

(古川峻)