prime

「こども誰でも通園制度」周知に課題 「知っている」は半数 沖縄県内アンケート(1)


「こども誰でも通園制度」周知に課題 「知っている」は半数 沖縄県内アンケート(1) イメージ
この記事を書いた人 Avatar photo 古堅一樹

 おきぎん経済研究所と琉球新報社はこのほど、親の就労に関係なく預けられる「こども誰でも通園制度」について、県内の未就学児の保護者を対象に認知度や利用の意向などを聞くアンケートを実施した。2026年度に全国で導入される同制度について知っていると答えた人は約半数で、本格導入までに制度の周知が課題。一方、短時間保育や一時預かりなど「現行制度との違いが不透明」などの疑問点も指摘された。

 アンケートは2月下旬~3月下旬に実施した。琉球新報の紙面や公式LINEなどで掲載・配信し、スマートフォンなどで回答フォームを読み取って答える形式。本島中南部の保育団体、子育て支援施設などの利用者にも協力を呼びかけた。県内の未就学児の保護者ら101人から回答を得た。

 利用したい理由では「週数回の仕事が入る」「買い物などの用事をまとめて済ませるため」などが挙げられた。
 制度について「おおまかな内容は知っている」の45%が最も多く、「よく知っている」の6%を合わせると51%が一定の内容を知っていると答えた。一方で「知らない」が32%、「内容は知らないが、言葉は聞いたことがある」が17%となり、49%は内容を把握していないと答えた。

 同制度を「利用するか」について「できれば利用したい」27%と「絶対に利用したい」22%を合わせると利用を希望する回答者は49%。一方で「利用しなさそう」21%と「絶対に利用しない」2%を合わせ、利用しない意向の回答者は23%。「まだ分からない」と答えた人が28%だった。

 「利用したい」と回答した人に理由を聞くと、最も多いのは「週に数回仕事が入るため」35%、「買い物等の用事をまとめて済ませるため」22%などが挙がった。

 制度を「利用しない」意向を答えた人に理由を聞いたところ「その他」と答えた人が48%で、「制度内容が分からない」や「月に10時間では意味がない」など多様な意見があった。「保育士不足の懸念」も31%が「利用しない」理由に挙げた。

 アンケート結果を受け、児童家庭福祉に詳しい琉球大学の本村真教授は「この制度の対象となる方にいかに周知できるかが課題だ」と指摘する。利用時間の上限を踏まえ「月10時間以内の利用では、繊細な子は毎回、ストレスになる可能性もある。子どもの不安感などへ、より丁寧に対応できるようにする必要がある」と話す。

 利用を希望する回答者が挙げた理由も踏まえ「制度の必要性を感じる対象者は一定の割合でいると思う。そういう方が安心して利用できるよう周知と環境整備を進める必要がある」と強調した。
 (古堅一樹)
 (次回は4日付で掲載)