「子どもに申し訳ない」「疲れて声も上げられない」…物価高騰、子育て世帯から悲鳴<2023年度沖縄子ども調査>


「子どもに申し訳ない」「疲れて声も上げられない」…物価高騰、子育て世帯から悲鳴<2023年度沖縄子ども調査> 子ども(イメージ)
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県が6日に公表した2023年度の「沖縄子ども調査(0~17歳)報告書」。コロナ禍の影響を受2121年度の調査に比べて世帯の収入は増加した。しかし、保護者を対象にした今回の調査結果は、収入にかかわらず生活の苦しさが増したことを鮮明に映す。物価高騰が低所得層の生活を痛撃する一方、所得制限で支援から漏れた世帯からも窮状を訴える悲鳴が上がる。子どもの暮らしは守られるのか。報告書の自由記述からの声を紹介する。(前森智香子、嶋岡すみれ、宮沢之祐)

育休切り、家賃の高騰… 暮らしの現状、要望

▼下の子が保育園に入園できなかったことを理由に育休切りに遭い、貯金を取り崩している。企業から「自己都合で退職してくれ」と言われた。沖縄は狭く、もめると良くない状況で渋々のまざるを得なかった。仕事を探すにも子どもがいて難しく、頼れる人もいない。この状況で精神的に病まない人はいないと思う。

▼賃貸アパートに母子で暮らしている。家賃が収入の半分近くになり、生活が苦しい。車を所有できず、出身が県外のため誰も頼ることができない。なんであんな人と結婚してしまったのか。子どもへの暴力、度重なる借金。挙げ句に「全部おまえのせいだ」とののしられて。子どもに申し訳ない。ごめんね。

▼母子家庭で高齢の母と3人暮らし、母は要支援の体。高校生の息子が学校を休んで祖母を手伝うこともある。子どもに申し訳ないと思いながら仕事に行くのがつらい。

▼団地に住んでいるが、子ども3人でも家賃が高くて困る。かといって宮古バブルで賃貸住宅の家賃もあり得ないぐらい高額。子育て世代への住宅費の補助は急務として取り組んでほしい。

▼夫はパワハラで退職を余儀なくされ、小学生の息子と乳児を抱え毎日寝られず涙が止まらない。助けてください。非課税世帯ではないが、苦しい。たくさん要望はあるが、もう疲れて声を上げることもできない。

教育費が高すぎる… 保育・学校の現状、要望

▼保育士として働いていたが、子育てをしていく上での仕事量、休息のとれない環境、増えていく保育士の役割に無理だと感じ退職。保育を離れた職をと思ったが、保育園に入園しないと働けず、働けないと保育園に入園できない

▼教育にお金がかかりすぎる。身に付ける物以外は共用でいい。給食エプロンまで個人購入になっている。2年生までしか使わない算数セットは買わせないで。式服は撤廃を。お金の無駄

学校給食を無料にしてほしい。子どもが4人いて負担が大きい。栄養を考えた学校給食はとてもありがたくて助かる。

▼来年新1年生になる子がいるが、学童クラブの枠が少なく入所が困難とのうわさを聞く。仕事をセーブすることになると、ますます経済的に不安定になり、精神的にもつらくなる

▼1歳半になる子が6カ月から保育園の申し込みをしているが決まらない。本当に困っている。認可外園の保育料は支払えず、絶望している

支援の拡充を 支援制度の現状、要望

▼生活保護はありがたいが、物価が高騰し、全然足りない。最低限の暮らしを保障するというが、最低限の貧乏暮らししかできず、この先、不安しかない。子どもを施設に預けて命を投げ出そうか、頻繁に考えてしまう…。助けてください

▼子ども医療費の無料化は、とても助かる。今後も続けてほしい。離島なので病院や歯医者へ行くのも船などで通っている。船代も、子どもと付き添いの親に少しでも支援があればと考えている。

▼発達障害の子を育てている。悩みが多く、うつ状態。発達障害の子を持つ親の相談窓口があれば助かる(すでにあったらすみません)。障害がある子の通いやすい歯医者や眼科があって、親の悩みを聞いてくれたら、心が楽になるかなと思う。

就学援助は大変助かった。現在は該当しないため手続きできず…。子どもが多いため非課税世帯以外にも対象を広げていただけると、すごく、すごくありがたい。

▼子ども4人だが、夫の収入がギリギリ上限にかかり、子ども給付金の支給が止められてしまった。生活費や習い事の月謝の高騰も相まってやめてもらった習い事もある。子どもが多いことへの罪悪感を少なからず感じた。子どもの人数で出費が変わることへの配慮をしてほしい。