23日の慰霊の日に合わせ、琉球新報社は各地で行われた慰霊祭などで、来場者らに「沖縄戦の教訓を継承するために必要なことは」と尋ねた。戦争体験者の声を直接聞くことや、次世代の語り部の育成、学校教育の中で沖縄戦を伝えていくことなど多様な意見があった。
戦争体験を語ったことがある金城千代子さん(82)は「地域の学校で講話をしたが、語り継ぐこと、とにかく戦争をしないことだ」と強調した。父の戦争体験を聞いて育った国頭玲子さん(74)は「戦争体験を子どもたちに語り継ぐことが必要だ」と話した。
沖縄戦の証言を伝える、次世代の語り部を育てることの必要性を強調する声も多かった。池原茂彦さん(82)は「ひめゆり平和祈念資料館のように、証言する人を次の世代に引き継ぐこと」と述べた。無職男性(75)も「体験者以外の語り部が増えるのはいいこと」と話した。
体験者が減少する中、教育現場で沖縄戦を教えることも大切だとする声もあった。元看護師の女性(70)は「小学校から平和教育をもっと増やすこと」と述べ、小学校教諭の女性(23)は「沖縄戦について毎年学び直し、子どもたちに平和を考えてもらうようにしている」と説明した。
体験者の証言を文章や映像資料に残すことにも多くの言及があった。
図書館司書の新垣毅さん(45)は「においを通じた追体験やVR(仮想現実)の活用など、手法を検討する必要がある」と提案した。無職男性(79)は「軍備増強に使う費用を、教育や福祉に役立てること」を通じて平和を啓発するべきだと訴えた。
(外間愛也)