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中止・見直し要望76件 浦添民港埋め立て 環境アセスに住民意見 沖縄


中止・見直し要望76件 浦添民港埋め立て 環境アセスに住民意見 沖縄 浦添市の西海岸=2022年8月(小型無人機で撮影)
この記事を書いた人 Avatar photo 小浜 早紀子

 浦添市西海岸の埋め立て(民港部分)に関する環境影響評価(アセスメント)方法書に対する住民意見について、多良間一弘県環境部長は18日、見直し、または中止を求める意見が計76件あったことを明らかにした。琉球新報社が同日までに情報開示請求で入手した資料では、「生物多様性が保たれている貴重な場所」「軍港と民港、護岸延長の一体事業として影響を考慮すべき」などの声が寄せられていた。

 県議会6月定例会の一般質問で、西銘純恵県議(共産)に答弁した。

 環境アセス方法書は、那覇港浦添ふ頭地区交流・にぎわい空間、公有水面埋立事業に係るもの。2023年12月20日に公告縦覧を開始し、24年2月9日まで、事業者の浦添市土地開発公社と那覇港管理組合が意見を受け付けしていた。環境保全に関する意見は71件寄せられていた。

 答弁によると、24年2月16日に事業者が県に送付。その内訳は、埋め立てを中止すべきが44件、調査予測の見直しをすべきが32件、市民らへの周知不十分を指摘する意見が10件だった。

 開示資料では、方法書を基に、同海域に生息する絶滅危惧種と準絶滅危惧種が13年調査の42種から、21年には15種と半減以下に激減していると指摘。浦添西海岸特有の藻場やサンゴ生育など、「環境保全の重要性が増している」と訴える意見があった。

 同海岸を巡っては、那覇軍港移設計画で環境アセスの第1段階となる配慮書の公告縦覧が10日に始まった。沖縄防衛局が8月23日まで郵送とファクスで意見を受け付けている。 

(小浜早紀子)