玉城デニー沖縄知事、フジロック出演 基地問題を「自分事に」トークライブで訴え


玉城デニー沖縄知事、フジロック出演 基地問題を「自分事に」トークライブで訴え フジロックフェスティバルに出演した玉城デニー知事(左から2人目)=28日、新潟県湯沢町(沖縄県提供)
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 玉城デニー知事は28日、新潟県で開かれた音楽イベント「フジロックフェスティバル」で、トークライブ「アトミック・カフェ」に出演した。

 米軍が関わる事件事故が多発する沖縄の現状を訴え「(被害者を)自分の家族や友人などに当てはめて考えることで、国民として何ができるか、自然と思い浮かぶと思う」と強調。「考えることを止めてはいけない」と、沖縄の問題を県外の人たちが「自分事」として捉える必要性を訴えた。

 玉城知事のフジロック出演は2019年以来、5年ぶり。司会でジャーナリストの津田大介さんは、5年間の変化について質問した。玉城知事は、県民が反対する名護市辺野古の新基地建設に伴う埋め立てを認めないとした自身の判断に触れ「県知事の判断を(国側が)押さえつけた」と指摘した。その上で、国が代執行により大浦湾側の工事に着手し、それを司法が認めた点を挙げた。

 津田さんは、辺野古の問題が長引く中、県民は「声を上げ続けて疲弊していることもあるのでは」とした上で、県外の人が声を上げる必要性を指摘した。

 玉城知事は全国で実施しているトークキャラバンのキーワードとして「自分事」を挙げ「米軍の問題は日米同盟の問題であり、沖縄だけの話ではない」と強調した。

 知事と共に登壇した東大大学院の斎藤幸平准教授は、基地問題について、県外の人も「事柄を共に考える者」を指す「共事者」として問題を発信していくことが「民主主義を深め、知事の思いに応えることになる」と呼び掛けた。

 玉城知事は当初、楽器演奏も予定していたが、松川正則宜野湾市長の急逝を受け、取りやめた。

(知念征尚、佐野真慈)