SNSでの出会いに注意 サイバー犯罪、中高生の身近にも<スマホとのつきあい方>1


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この記事を書いた人 Avatar photo 熊谷 樹

もうすぐ夏休みも終了します。自由時間が増え、いつも以上にスマホを使う時間が長くなってしまった中高生も多いのではないでしょうか。スマホにのめり込みすぎて、夏休みの宿題などの学習がおろそかになったり、生活習慣が崩れてしまったりする人もいるでしょう。長期休みはスマホへの依存度が高まるだけでなく、スマホをめぐるトラブルや事件の発生も増える時期です。何気なく入力した言葉や送ってしまった写真、画像を巡り、一生後悔する事態に陥ることもあります。沖縄県警生活安全部少年課の荷川取尚志さんは「すべての犯罪やトラブルの根源にSNSがある」と警鐘を鳴らします。中高生が巻き込まれやすい犯罪やトラブルはどのようなものがあるのか、実際の事例や新聞記事をもとに考えましょう。

子どもこそ気をつけて! サイバー犯罪

インターネットやスマホを悪用した犯罪をサイバー犯罪、ネット犯罪といいます。SNSを介して、サイバー空間で私たちはさまざまな人と簡単につながることができます。インターネットはマナーを守って正しく使えば便利で世界が広がるものですが、使い方を誤ると事件やトラブル、いじめのきっかけとなることもあります。

2023年、沖縄県内でサイバー犯罪で摘発された人は暫定値で96人(前年比38人増)、摘発件数が137件。このうち児童や未成年が被害者となる摘発は46件で、全体の3割以上を占めます。県警に寄せられたサイバー犯罪などに関する23年の相談受理件数は2366件(同89件増)で過去最多。2019年の相談件数は1209件で、5年で2倍になりました。

23年に、沖縄県内で児童や未成年が被害者となったSNSが関連する事件の摘発件数は41件。青少年保護育成条例違反(21件)、児童買春・児童ポル禁止法違反(18件)が大半を占めました。被害者28人のうち中学生13人、高校生14人、有職少年1人でした。

全国でもSNSをきっかけとする事件の摘発は後を絶ちません。2023年にSNSの利用をきっかけに犯罪の被害者となった児童や未成年者は1655人。不同意性交などの重要犯罪の被害者は225人と前年158人から大幅に増加しています。特に全国では小学生の被害が増えており、23年は139人。2014年の38人から3倍以上に増加しています。

23年、全国でSNSが関連する事件で被害児童と被疑者が知り合うきっかけとなった最初の投稿者の割合は、被害児童からの投稿が7割を占めました。「プロフィルのみ」「趣味・指向」「友だち募集」「ゲーム配信」が半数以上を占め、日常の投稿から犯罪に巻き込まれる現状が浮き彫りとなっています。

なぜサイバー犯罪は後を絶たないのでしょうか。これらの犯罪の特徴として、①匿名性が高い②時間や場所に制約がない③犯罪を行っている感覚が薄い④トラブルが保護者や教員の目に届きにくい-という点が上げられます。ゲーム感覚でしてしまった悪ふざけや仲間内のつもりだった悪口、バレないだろうと思った投稿、知らない人とSNSでつながり実際に会うなどの行為が、取り返しのつかない事態になることがあります。

これから中高生が巻き込まれやすい犯罪やトラブルはどのようなものがあるのか、実際の事例や新聞記事をもとに学んでいきましょう。