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陸自、多良間で公道訓練へ 4、5日に計35キロ行進 住民に説明なく、宮古駐屯地「災害時向け重要」 沖縄


陸自、多良間で公道訓練へ 4、5日に計35キロ行進 住民に説明なく、宮古駐屯地「災害時向け重要」 沖縄 多良間島(資料写真)
この記事を書いた人 Avatar photo 友寄 開

【多良間】陸上自衛隊宮古島駐屯地は4~5日に、駐屯地がない多良間村の公道で徒歩防災訓練を実施する。4日午後7時に農村公園を出発し、村1周道路を2周する約35キロを行進予定。同駐屯地によると、同村の公道を使った長距離の徒歩訓練を実施するのは今回が初めてとなる。

 訓練に参加するのは新隊員特技課程と一般曹候補生課程の新隊員9人とサポートする隊員ら計25人。訓練は、長期にわたる台風により、空港と港湾施設が一部損壊し、木や電柱の倒壊で道路が使えない状況下で、避難所へ非常用物資を運ぶ訓練などが想定されている。

 同駐屯地は同村で訓練する理由について「多良間村を含む宮古地区を災害担当区としており、地形や経路を利用した訓練は、災害時における円滑な対処を行うために重要であると認識している」とした。

住民に説明なく 「戦争つながる」

 住民からは村内の公道を使った訓練に対する不安の声が漏れた。50代女性は訓練に関する事前の説明がなかったとして「災害時における自衛隊の活動はありがたいが『いざとなれば戦争に備えた訓練につなげるのではないか』という思いもぬぐえない。南西シフトが進む中、徐々に自衛隊の活動に慣れさせようとしているのではないか」と不安視した。

 公道を使用した陸自の訓練を巡っては、昨年8月に宮古島市で、今年4月に石垣市で実施された。陸自15旅団によると、少なくとも22~24年の過去3年に本島での公道を使用した訓練は実施していない。

(友寄開)