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「守られるべき命 証明を」 遺族、初弁論で訴え 部活高2自死訴訟 沖縄県、請求棄却求める


「守られるべき命 証明を」 遺族、初弁論で訴え 部活高2自死訴訟 沖縄県、請求棄却求める 高校生自死をめぐる損害賠償請求訴訟の初弁論が開かれた那覇地裁=7日午前、那覇市樋川(代表撮影)
この記事を書いた人 アバター画像 琉球新報社

 2021年1月、県立コザ高校2年の男子生徒=当時(17)=が自死したのは部活動の顧問だった元教諭のパワーハラスメントが原因などとして生徒の遺族が県に約1億3900万円の損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が7日、那覇地裁(藤井秀樹裁判長)で開かれた。原告である遺族のうち、亡くなった生徒の母親が意見陳述し、「息子が正しく生きていた証しと守られるべき尊い命であったという事をしっかり証明してほしい」と思いを訴えた。

 原告側は意見陳述で、生徒への叱責(しっせき)や暴言があったとする元顧問に対しては「息子の将来を奪った事実を罪として認めて責任を取ってほしい」と求めた。教員の不適切な指導で追い込まれた生徒が命を絶つ「指導死」が相次ぐ学校現場の現状を踏まえ、「理不尽な暴言や叱責やパワハラでは何一つ育たない事、それらは教育でも指導でもない」とも指摘した。

 被告の県は、答弁書で原告側の請求棄却を求め、争う姿勢を示した。

 県教育委員会の担当者は7日、本紙取材に代理人弁護士が選任できていないとし、「原告の要求に対して全てを反論し、過失がないと全面的に争う立場ではない」と述べた。県教委は、生徒の自死を受けて第三者調査チームによる「自死は部活動顧問との関係を中心としたストレスが要因となった可能性が高い」とする調査報告を公表し、元顧問を懲戒免職処分としている。この点を踏まえ「顧問に重大な過失があったとして懲戒免職とした経緯があり、その点を踏まえた対応になる」との見解を示した。

 訴訟提起は23年2月9日。訴状によると、元顧問は、生徒を叱る際に暴言を伴う激しい叱責を繰り返した。

 これらがパワハラに当たる不法行為だとし、生徒が「自死を選択せざるを得ない心理状態に追い込まれた」と主張。元顧問の「重過失」を指摘したほか、当時の校長や県が安全配慮義務に違反したとしている。