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「やめろ」市民ら叫ぶ中、“命の海”突き刺す金属くい 辺野古大浦湾くい打ち着工 沖縄


「やめろ」市民ら叫ぶ中、“命の海”突き刺す金属くい 辺野古大浦湾くい打ち着工 沖縄 くいをつり上げるクレーン船に向かってこぎ出し、海上保安庁に阻止される市民ら=20日午前10時40分ごろ、名護市の大浦湾
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古の新基地建設を巡り、沖縄防衛局は20日、大浦湾側の護岸造成工事に着手した。

 県が埋め立て着工前に必要な事前協議が調うまでは、着手しないよう求める中、くい打ち工事が始まったことで、新基地建設に反対する市民からは大きな反発の声が上がり、自然豊かな大浦湾への影響を危惧する声も聞かれた。 

 新基地建設に反対する市民らは20日午前中から、海と陸の双方でそれぞれ抗議活動を展開した。大浦湾で午後1時半ごろに始まった抗議活動では、カヌーに乗った市民が「工事をやめろ」と訴える中、クレーン船が金属製のくいを海中へ投入した。

 ヘリ基地反対協議会海上行動チームは午前9時過ぎから大浦湾でカヌー4隻と船を使って抗議活動を繰り広げ、臨時制限区域を囲うフロート(浮具)の内側に午前と午後各2回、計4回入った。大浦湾周辺は午後から時折強い雨に見舞われたが、市民らはずぶぬれになりながら午後3時半ごろまで抗議を続けた。

 カヌーに乗った市民らはフロート内に入るとクレーン船を目がけ勢いよくこぎ出したが、海上保安庁のボートがすぐに行く手を阻んだ。市民らは阻止後もプラカードを掲げ「戦争する基地はいらない。この海にもう戦争はいらない」とクレーン船に向かって叫んだ。

 名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブゲート前では午前9時から午後3時にかけて3回にわたり、大型ダンプカーが列をなして基地内に入った。ゲート前には新基地建設に反対する市民ら約20人が集まり、ゲート前に座り込むなどして抗議した。

 6月に県外から辺野古に移り住んだ女性(65)は「軟弱地盤の上に基地を造るのは無謀だと言われているのに、県民の声を無視し、莫大(ばくだい)な税金を使って工事を強行するのはあまりにひどい」と話した。 

(武井悠、普天間伊織)