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【地図あり】辺野古、大浦湾でくい打ち着工 玉城デニー知事「誠に遺憾」行政指導で対抗へ 沖縄


【地図あり】辺野古、大浦湾でくい打ち着工 玉城デニー知事「誠に遺憾」行政指導で対抗へ 沖縄 埋め立て予定地の海域で、金属製のくいを海底へ打ち込むクレーン船=20日午後2時32分、名護市の大浦湾(又吉康秀撮影)
この記事を書いた人 Avatar photo 知念 征尚

 【辺野古問題取材班】米軍普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古の新基地建設を巡り、沖縄防衛局は20日、大浦湾側にある3カ所の護岸工事に着手した。大浦湾側で軟弱地盤の改良に伴う設計変更に基づく本体工事は初となる。

 玉城デニー知事は同日、記者団の取材に応じ、埋め立て承認の留意事項に基づく事前協議はまだ調っていないとし「一方的に協議に係る工事に着手したことは誠に遺憾」だと反発。近く工事の中止を求める行政指導を行う考えを示した。

 県が協議中との認識を示していることについて、防衛省担当者は琉球新報の取材に「協議は尽くされたと認識している」と答えた。着工した3護岸以外の護岸も一括して協議したとして、今後準備が調い次第、着手できるとの考えを示した。

 同日着工したのは埋め立て予定地北側の外周を形成する「A護岸」、陸地側から伸びて埋め立て区域を区切る中仕切り護岸「N1」と「N2」の3カ所。A護岸では金属製のくいを打ち込んだ。N1とN2では石材を投下した。

 辺野古・大浦湾の海上では午後1時15分ごろ、クレーン船が1本目のくいをつり上げて海中へ投下。同2時過ぎに海中へ投下したくいの打ち込み作業が始まり、同2時50分ごろにクレーンとくいを固定する器具が外れた。2本目のくいを打ち込み、同4時25分ごろクレーンがアームを畳んで作業を終えた。

 クレーン船の周辺では、ヘリ基地反対協議会海上行動チームが午前9時過ぎからカヌー4隻などを使った抗議活動を展開。米軍キャンプ・シュワブのゲート前でも新基地建設に反対する市民約20人が抗議した。

(知念征尚まとめ)