米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設に伴う名護市辺野古の新基地建設を巡り、沖縄防衛局は20日、大浦湾側の護岸造成工事に着手した。大浦湾側で、軟弱地盤の改良に伴う設計変更に基づく本体工事は初となる。20日午後1時15分ごろ、クレーン船が動きくいを吊り上げた。金属製のくいを海底へ打ち込む作業に取りかかる。
工事に着手したのは埋め立て予定地北側の「A護岸」付近の海域。沖縄防衛局は7月初旬から、本体工事向けたくい打ち試験を実施していた。工事の着手を受け、米軍キャンプ・シュワブのゲート前で市民らが反対の声を上げたほか、ヘリ基地反対協議会の海上チームが現場海域近くに船舶やカヌーで近づき、抗議行動を展開した。
大浦湾側の工事海域は、軟弱地盤の存在が明らかとなっており、沖縄防衛局は砂ぐい7万本以上を打ち込み、地盤を固くする工事を進める。最も深い「B27」地点では、軟弱地盤が水面下約90メートルに達するが、防衛省は70メートルの工事までで問題ないと説明。専門家からは、完成後も沈下する恐れがあるとの指摘も上がっている。
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