有料

大浦湾側の護岸4工事、170億円増額 国が着工前に変更 最大1.5倍で261億→378億円も 辺野古新基地


大浦湾側の護岸4工事、170億円増額 国が着工前に変更 最大1.5倍で261億→378億円も 辺野古新基地 辺野古新基地建設で、大浦湾に並ぶ多くの作業船=7月3日、名護市瀬嵩(小川昌宏撮影)
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 米軍普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古の新基地建設問題で、沖縄防衛局が2023年に発注・契約した大浦湾側の護岸建設工事4件について、いずれも着工前に変更契約が行われ、合計約170億円増額されていたことが16日までに分かった。このうち「C1護岸新設等工事」は当初の261億4700万円から約1・5倍の378億7680万円に膨らんでいる。4件のうち3件は入札時の予定価格を超えた。 

 防衛局はこれまでも変更契約で増額させ、予算を膨張させてきた。新基地建設に膨大な費用を投じる実態が改めて浮き彫りとなった。防衛局は20日にも大浦湾側で軟弱地盤の改良に伴う設計変更に基づく護岸工事を始める予定だが、変更契約の妥当性が問われそうだ。

 琉球新報が防衛局の変更契約調書を確認した。増額された4件はいずれも設計変更に基づくもので、23年11月22日に入札され、24年3月末に変更契約が結ばれていた。わずか約4カ月で増額したことになる。理由について変更契約調書には「計画調整」とだけ記している。

 約1・5倍に膨らんだC1護岸の工事は地盤改良で砂ぐい約6500本の打ち込みを含む。変更契約は3月29日付。他3件の変更は3月27日付。今月20日にも着工する予定の「A護岸新設工事」は当初の93億4120万円から5億543万円(5・4%)増え98億4663万円となった。

 砂ぐい約6600本の打ち込みを含む「C3護岸新設等工事」は当初142億2300万円で契約したが、32億3193万円(22・7%)増の174億5493万円となった。

 砂ぐい約9500本の打ち込みを含む「係船機能付き護岸新設等工事」は当初144億5950万円だったが、14億7031万円(10・2%)増の159億2981万円に変更された。

 A護岸新設工事を除く3件は入札時の予定価格を超過している。
 (沖田有吾、知念征尚、明真南斗)