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「隠蔽が事件の続発を招いた」 市民団体から政府対応に批判相次ぐ 米兵女性暴行 沖縄


「隠蔽が事件の続発を招いた」 市民団体から政府対応に批判相次ぐ 米兵女性暴行 沖縄 日米の国旗
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 6月にも米兵による女性暴行事件が発生していたことが明らかになり、県内の市民団体からは「またか」「隠蔽(いんぺい)が事件の続発を招いた」との声が上がった。

 「まーからわじーが(どこから怒ればいいのか)」と怒りをあらわにしたのは、「基地・軍隊を許さない行動する女たちの会」共同代表の高里鈴代さん(84)。医療関係者からの通報だったことに「医療にかかるほどのけがを負ったのだろう。医療関係者はよく通報してくれたと思う」と思いやった。昨年12月に起きた米兵の少女誘拐暴行事件が報道で発覚したのは6月25日。今回の事件は報道の前に起きたとされる。「(少女の)事件が3月の起訴時点で県に知らされていたら、その後の事件は防げたのではないか。隠蔽されていたことが事件の続発を招いた」と話した。

 県女性団体連絡協議会の伊良波純子会長は「少女の事件が発覚した後、もっとあるかもしれないと思っていた。やっぱりか」と声を落とした。相次ぐ米兵事件に抗議する超党派の県民大会を求めて活動する中で、事件が発覚し「女性の人権の問題であり、今後も誰が被害者になるか分からない。多くの県民に自分事ととらえてもらいたい。再度、県議会にも働き掛けたい」と話した。

 国連の女性差別撤廃委員会に向けて活動する「アクション沖縄アチーブジェンダーイクオリティ」共同代表の神谷めぐみさんは、少女誘拐暴行事件の動きを通して、行政や裁判所などが人権を守ることに後ろ向きであると指摘し「女性の被害のケアがどのようになっているか心配だ。政府から独立した人権機関の設置が必要だ」と話した。

 (前森智香子、中村優希、慶田城七瀬)