有料

宜野湾市長に当選の佐喜真さん「松川さんの思いを一つに、宜野湾を一つに」涙の支援者らと歓喜


宜野湾市長に当選の佐喜真さん「松川さんの思いを一つに、宜野湾を一つに」涙の支援者らと歓喜 当選を果たし、支持者と握手する佐喜真淳さん(左)=8日午後10時16分、宜野湾市の真志喜公民館(ジャン松元撮影)
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 8日の宜野湾市長選は、元市長の佐喜真淳さん(60)が新人で前市議の桃原功さん(65)を破り、6年ぶりに市長に返り咲いた。

 米軍普天間飛行場の返還実現と、7月に急逝した松川正則市長の「市政継承」を訴えて短期決戦を勝ち抜いた佐喜真さん。「宜野湾がいちばん!宜野湾を前に進める」と市の発展に向け、力強く抱負を語った。

 「よし!」。午後9時45分ごろ、佐喜真淳さんの当選確実の報が流れると、市真志喜の真志喜公民館は拍手に包まれた。佐喜真さんは妻のこず恵さんと共に、深々と頭を下げた。すぐそばに座った松川正則さんの次男・正志さん(45)は父の遺影を手に、目には涙を浮かべた。

 バンザイ三唱で支援者らと喜びを分かち合った佐喜真淳さん。キャッチフレーズの誰でも住みやすい街づくり「宜野湾がいちばん」を実現すると意気込んだ。

 佐喜真さんは2018年に2期目途中で市長を辞職し知事選に挑んだが、落選。22年の知事選でも再び敗れた。それでも政治家の道を諦めずに、地道に毎朝街頭での「お手ふり」を続けてきた。

 政治家としては「別の方向を目指していて、市長に戻ることは考えていなかった」。だが7月26日に松川正則市長が公務出張中の東京で逝去すると、短期決戦の市長選でこれまでの実績と活動、知名度が評価されて再び市長を目指すことに。知事選では「サキマ淳」の表記を使用していたが、今回は地元宜野湾で再び市長選に臨むに当たって初心に返る気持ちも込めて、市議時代から使用していた「佐喜真アツシ」のたすきを掛けて市内を駆け巡った。

 自身の市長時代に副市長として支えてくれた松川さんの市政を「継承する」と訴え、選挙戦を走りきった。涙を浮かべる正志さんの肩を抱き、「松川さんの思いを一つに、宜野湾を一つに、誇れる町をつくっていこうではないか」と呼びかけた。短期間となった選挙戦。涙と笑顔に包まれた支援者らに対し「心より、心より感謝申し上げる」と頭を下げた。

(’24宜野湾市長選取材班)