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「国の上告を不受理に」 辺野古抗告訴訟の原告、最高裁に意見書 沖縄


「国の上告を不受理に」 辺野古抗告訴訟の原告、最高裁に意見書 沖縄 福岡高裁那覇支部
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 名護市辺野古の新基地建設工事で、辺野古周辺に住む市民4人が、県による埋め立て承認の撤回を取り消した国土交通相の裁決の取り消しを求めた抗告訴訟を巡り、原告側が17日、被告の国が上告したことに対する最高裁判所宛ての意見書を福岡高裁那覇支部に提出した。国が同支部(三浦隆志裁判長)の控訴審判決を不服として最高裁に提出した「上告受理申立理由書」について、早期に「不受理決定」とするよう求めた。提出は同日付。

 訴訟を巡っては、最高裁が、国の上告を受理すれば、最高裁小法廷で控訴審判決が審理され、不受理になれば、一審の那覇地裁への差し戻しを命じた同判決が確定する。

 意見書では、国が7月、最高裁に提出した140ページに及ぶ理由書で、市民の原告適格を認めた控訴審判決を「誤った判断」を重ねたなどと主張していることを「重箱の隅をつつくような議論」と指摘。最高裁での審理が、憲法違反や法律解釈の違反にとどまり、事実認定が争点にならないにもかかわらず、「証拠に位置づけられるような資料を膨大に添付」しているなどと断じた。

 「訴訟の入り口論に過ぎない」原告適格を巡る主張を繰り返し、国交相の裁決の違法性についての「実体的な審理」を避ける国の姿勢を批判。行政訴訟で「同じような手法」が繰り返される前例となる懸念も示し、「早期の不受理決定をもって最高裁の指針を示すことが、有益かつ訴訟経済に資する」とした。