「全てが奪われた」米兵の被告 一貫して無罪主張で結審 米兵少女誘拐暴行事件 那覇地裁 沖縄


「全てが奪われた」米兵の被告 一貫して無罪主張で結審 米兵少女誘拐暴行事件 那覇地裁 沖縄 第4回公判が行われた那覇地裁の法廷=25日午後(代表撮影)
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 少女に性的暴行を加えたなどとして、不同意性交などの罪に問われている米軍嘉手納基地所属の米兵の被告(25)は25日、那覇地裁の法廷の証言席に座るとせきばらいをし、無罪を再び訴えた。検察側、弁護側双方の主張が真っ向から対立する構図に変化はないまま、審理は終結。事件発生からちょうど1年を迎えようとする12月に、判決が言い渡される。

 「私は無実だ。誘拐も性的暴行もしていない」―。裁判官席を見据え、7月の初公判と同様の表現で被告が英語で潔白を主張すると、法廷には小さくうめき声が漏れた。

 白い長袖のワイシャツと黒いズボンという、これまでと同じいでたちで出廷した被告。

 両手を前に組んで机の上に置きながら、早口で自身を断罪する検察官の言葉を、通訳越しに聞いていた。求刑内容にも、大きく表情を崩すことはなかった。

 「今年1年で全てのものが私から奪われた」「私の名前は不名誉な形で世界中に知られている」。最終意見陳述で、そう自身の苦境を裁判官に訴え、「自分の人生を取り戻したい」と締めくくった。

 この日の裁判は1時間ほどで終結した。判決期日を告げた裁判長がこれまでの3回の公判と同じように傍聴人を法廷にとどめる中、被告は弁護人と連れだって法廷を後にした。