有料

32軍壕の保存と公開、12月に計画素案 技術検討グループが会合 沖縄


32軍壕の保存と公開、12月に計画素案 技術検討グループが会合 沖縄 第32軍司令部壕の「エンジニアリングトンネル」と呼ばれる坑道内部。壁面には掘削時のつるはし跡や坑木が残る(代表撮影)
この記事を書いた人 Avatar photo 中村 万里子

 沖縄戦を指揮した首里城地下の第32軍司令部壕の保存・公開に向け、県は、基本計画検討委員会の「技術検討グループ」第2回会合を28日、那覇市の県自治研修所で開いた。

 非公開で、県によると、坑口や坑道の公開イメージについて意見を交わした。11月の予定だった、基本計画の素案の公開は、専門家で詰めの作業をする必要があるとして、11月に3回目のグループ会合を開いた上で12月になるという。

 技術検討グループは地盤工学や地質学など4人の専門家からなる。県によると、第2回会合では、付属の展示施設について、構成や内容を検討した上で規模を決定するべきだといった意見があった。そのほか、地下の坑道を移動する際、GPSで歩いている場所が分かるような仕掛けを求める声や、立ち入りできない場所はデジタル技術を用いて公開するよう要望があった。坑道内から小型カメラを挿入し、安全性を確認してはという提案もあったという。

 第32軍司令部壕を巡っては司令部が南部撤退時に坑口を爆破するなどし、80年たって落盤や落石、水がたまるなど劣化が進む。全貌が把握できていないため、県は昨年度に続いて本年度も中央部のボーリング調査を実施する。昨年度の試掘調査で場所が判明した第1坑口は、今後、表土除去などの作業を行うという。

 (中村万里子)