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回復者の声、受け止めて 趣旨説明<第1回沖縄県ハンセン病問題シンポジウム>


回復者の声、受け止めて 趣旨説明<第1回沖縄県ハンセン病問題シンポジウム> 趣旨説明をする県ハンセン病問題解決推進協議会長の森川恭剛氏=18日、那覇市泉崎の琉球新報ホール(ジャン松元撮影)
この記事を書いた人 琉球新報社

 県ハンセン病問題解決推進協議会の森川恭剛会長(琉球大学教授)が冒頭で、シンポジウムの趣旨を説明した。ハンセン病問題は「国の誤った政策が原因で、いまだ解決されていない」と指摘。「回復者や家族が今も抱える苦しみに、具体的対策が講じられるのかを見届けてほしい」と述べ、参加者一人一人が解決の促進を担う当事者であると強調した。

 1996年に「らい予防法」が廃止され、2001年にはハンセン病国賠訴訟で、国の責任を認める判決が下された。森川会長は、隔離政策をしてきた国や地方自治体が、差別や偏見を解消する責任があると説明。しかし、回復者の相談や支援を担う県ゆうな協会について「回復者の声を受け止めていない」と苦言を呈した。

 そのような背景から、回復者や家族の悩みや困りごとを聞き取るため、問題解決推進協議会が設立された。森川会長は「このシンポで、回復者や家族が安心安全に暮らせる具体的な施策が出されるかを見届け、偏見をなくすために教育などが果たす役割は何かを考えてほしい」と訴えた。