大雨被害に伴い9日から断水が続いている大宜味村では11日も午前9時~午後7時、村役場の駐車場で給水活動が展開された。断水は3日目となり、住民らは少し疲れた様子で、給水袋や持参したポリ容器で、1人につき6リットルの飲料水を受け取った。村によると、延べ3千人分の給水をしたという。村は12日以降の給水活動は未定とし、方針が決まり次第、村のホームページや、村公式のライン、防災無線で発表するとしている。
給水所を訪れた金城哲也さん(65)は、10日夕方に村田嘉里にある自宅が断水した。受け取った水は食事や食器洗い用などに使うという。「自宅でためていた分でトイレ用は間に合っているが、風呂には入れない。あとは復旧を待つだけだ」と、あきらめ顔で給水所を後にした。
同村の友寄景善村長によると、村津波の浄水場が平南川のはん濫によって、泥水が流れ込んできたという。村は9日~10日にかけて、職員らが徹夜で対応に当たり、泥水を排水し、底にたまった汚泥を手作業で抜き取ったという。機械の故障はなかったため、11日現在は消毒などをしながら、住宅などへ水を送る配水タンクへの送水を開始している。配水タンクの水がたまり、点検後に水の供給を再開する。
友寄村長は「現在の状況は徐々に機能回復に向かっている。機械が故障していたら、数カ月間は断水が続くという危機的な状況だっただろう」と述べた。その上で、村民が水を使えるようになるには「希望的観測」としながらも、12日中の給水再開を目指す考えを示した。
(西田悠、池田哲平)