本島北部の大雨被害を受け、池田竹州副知事は11日、名護市源河の県道14号や大宜味村などを流れる田嘉里川、同村津波の浄水場などを視察した。視察後、報道各社の取材に応じた池田副知事は、今回の大雨被害が国の災害復旧事業に該当する可能性があるとの認識を示した。その上で「知事に伝え、北部地域の一日も早い復興に向け、県として、あらゆる方策で取り組みたい」と述べ、復旧を急ぐ考えを示した。
池田副知事は「防災関係の業務が長く、台風での大きな被害は見てきた。しかし、この時期に大雨で、これほどの被害が出るっていうのは経験がなく、改めて被害の影響の大きさを感じた」との見解を示した。各地で河川のはん濫が起きたことに触れ「河川全体の(改修の)緊急度について検証した上で、必要な対策は、速やかにやっていく」と述べた。
県は大雨警報の発表を受け、8日午後7時50分に災害対策準備体制に移行。24時間体制で情報収集と関係部局への共有、ウェブを通じての情報発信をした。11日午前9時10分に県災害対策本部を立ち上げ、同日夕、会議を開いた。
会議では、池田副知事から視察の報告があったほか、今後の復旧の方針を確認。道路や河川の損傷状況などの報告があり、県土木建築部は、県道14号で発生した舗装の損傷について、復旧に時間がかかるとの見通しを示した。台風の発生で14日以降に再び降雨が予想されているとして、破損場所の応急対応の必要性が示された。
玉城デニー知事は「市町村や関係機関と連携し、北部地域の1日も早い復旧に向けてあらゆる方策を講じて全力で取り組む」と話した。
県は、当面は応急対応費や予備費で対応し、今後の災害に備え補正予算の編成を進める方針だ。
玉城知事は本部会議の後、記者団から県の対応が遅いのではないかと問われ「現地の状況はつぶさにいろいろ確認していたし、現地が対応に当たっている間にわれわれが動くと余計に混乱する。可能な限り早期に現場に行こうということで、きょう警報が解除になって現場に入った。迅速に全力で取り組んでいきたい」と話した。
(池田哲平、知念征尚、沖田有吾)