不適切会計と個人情報紛失を謝罪 県保健医療部長ら「県政への信頼損ねた」 コロナ交付金1330万円が対象外に 紛失はファイル1冊179人分


不適切会計と個人情報紛失を謝罪 県保健医療部長ら「県政への信頼損ねた」 コロナ交付金1330万円が対象外に 紛失はファイル1冊179人分 不適切会計と個人情報紛失を謝罪する糸数公保健医療部長(右から2人目)や課長ら=24日、県庁
この記事を書いた人 琉球新報社

 県保健医療部の糸数公部長や宮里義久感染対策統括監らは24日に県庁で会見を開き、新型コロナウイルスの宿泊療養施設を巡る不適切な会計処理と、ワクチン接種業務で179人分の個人情報を紛失したことについて「県政への信頼を損ねたことを深くおわびします」と謝罪した。

 宿泊療養施設を巡っては、2022年度に委託した業者の原状回復作業が23年度にまたがったという。糸数部長らによると「県側の認識不十分」により、22年度に完了するべき会計処理が23年度に行われたため、国からの新型コロナウイルス感染症緊急包括交付金1330万円が対象外となったという。

 ほかにも、22~23年度に契約した宿泊療養施設計9カ所の契約にも法的な問題があり、場合によって同交付金対象外となる金額が増える恐れがある。県側は業者との委託契約に原状回復費が含まれるとの認識だったが、庁内から別々に契約するべきなどの意見があったという。精査した上で国に確認する予定。

 紛失した個人情報は、22年9月~23年3月末に実施したPCR検査業務で集約した179人分の氏名や住所、電話番号などが記載されたファイル1冊。10月3日に紛失が発覚した後、該当者には文書などで謝罪したという。業務中に廃棄した可能性が高いため、県は文書管理や再発防止を徹底するとした。(嘉陽拓也)